◆向田将央議員 自民党議員団の向田将央でございます。
明治23年、旧庄内藩では西郷隆盛の遺訓集「南洲翁遺訓」を作成しました。その遺訓に次のようなものがあります。

「何事も制度方法を論ずるとも、その人に非があれば行われがたし。人は第一の宝にして、おのれその人になるの心がけ肝要なり」

これは、どんなに制度や方法を論議してもそれを行う人が立派でなければうまくいかない、人を一番の宝と思う心の持ち主になることが最も重要であるという内容です。私も西郷隆盛の教えに習い、市民の皆様は第一の宝として日々精進することをこの場で誓い、以下、一般質問に入らせていただきます。

本日は、廃棄物対策課及び競輪事務所に所属していた元職員に関する贈収賄事件について御質問をさせていただきます。

今年度4月より、元廃棄物対策課所属の山野本氏が松山競輪事務所の副主幹として異動した後、競輪事務所にて金庫に保管していたおよそ200万円の現金が行方不明になるという事件がありました。このことに関して、10月29日の愛媛朝日放送では次のように報道されています。

松山市競輪事務所で金庫に保管していた現金およそ200万円の行方がわからなくなった。

この事件は、松山市競輪事務所で場外車券の委託販売の人件費として預かっていた現金のうち、およそ200万円が保管されていた金庫からなくなっていたもので、この現金について競輪事務所の副主幹で今月26日に起訴された山野本慶三被告が200万円を金庫から持ち出したことを認めていることが捜査関係者への取材でわかった。

松山市は警察に盗難の被害届を提出し、警察では業務上横領の疑いもあると見て捜査している。お伺いします。警察への届け出の種類には紛失届もあるようです。盗難の被害届を提出したということは、その時点で紛失ではなく何者かに盗まれたと判断したからと思うのですが、現金紛失の発覚から盗難被害届の提出までの決断されるまでの経緯をお聞かせください。

◎平野陽一郎産業経済部長
松山競輪場では、全国の競輪場から委託を受けて車券を場外発売しており、発売に必要な資金を委託元から預かっています。10月13日に、この資金のうち金庫で保管している従事員賃金の残金を返金するため金融機関に持ち込んだところ、現金が不足していることが判明しました。

また、直ちにほかの現金も確認すると、5つの競輪場の賃金の残金に合計で200万円余りの不足が生じていました。
そのため、収賄容疑で拘留中であった山野本を除く競輪事務所の全職員に確認しましたが、不足について誰も心当たりがなく、その後、手を尽くして探しても発見できなかったことから、翌日の10月14日に警察に相談をいたしました。

そして、被害に遭った金額を初め被害発見の日時や被害の模様などについて警察に説明し、現場の確認等も行っていただく中で、盗難の可能性が高いと思われることから、盗難の被害届として受理いただいたものでございます。以上でございます。

◆向田将央議員
では、次の質問に移ります。先日行われた記者質問の中で、記者より市長に対して、職員が利害関係者とゴルフなどをするということは一般的にどう受けとめるかという質問がありました。

これに対して市長は、今捜査中ですので、事案の全貌が明らかになった時点でコンプライアンスの制度面で改善すべき点がないか検証していきたいと考えていますと答えています。

記者は、一般論として市長にお伺いしていると思うのですが、なぜか市長は特定の事案、つまり今回の収賄事件についてお答えしているように感じます。

私は、とあるルートより、平成23年4月14日木曜日、平日に開催された愛媛アマチュアゴルフ選手権競技予選会の組み合わせ表及び平成25年4月11日水曜日、同じく平日に開催された愛媛アマチュアゴルフ選手権競技予選会成績表を入手いたしました。平成25年度成績表には142位タイ山野本慶三、27オーバー、トータル99、アウト51、イン48ときちんとプレー結果も掲載されています。

また、山野本氏は、本年、こちらは祝日だと思うのですが、1月4日に道後ゴルフクラブで開催されたクラブ競技にも参加していらっしゃるようです。前年の10月26日にも同様のクラブ競技が開催されています。山野本氏は、こちらの競技には参加していませんが、かわりに今回の収賄事件で山野本氏とともに逮捕された宇田重陳氏の名前が掲載されています。山野本氏は、このような場で利害関係者である宇田氏とかかわっていたのでしょうか。

私は、決して職員がゴルフをしてはいけないと言いたいのではありません。利害関係者とゴルフが安易にできる環境についての本市の考え方が事件のきっかけをつくってしまったのではないかと申したいのです。

市長にお伺いします。

松山市では、このように市の職員が利害関係者とゴルフをすることについて何らかの制限を設けていらっしゃるのでしょうか、お聞かせください。

◎大町一郎総務部長
本市では、松山市職員倫理規則で利害関係者との贈与等の禁止及び制限について定めております。

規則では、利害関係者とともにゴルフをすることを禁止し、例外としてコンプライアンス監督者、すなわち所属の部局長が公正な職務の執行に対する市民の疑惑や不信を招くおそれがないと認めたものに限り、許可をしています。以上でございます。

◆向田将央議員
次の質問に移らせていただきます。先日の定例会見で記者より、逮捕後、再発防止策は考えたかという質問がありました。それに対して市長は、まずは全職員に対してコンプライアンスの遵守を徹底していきたいと考えています。

あわせて、今回の事案の全貌が明らかになった時点で、コンプライアンスの制度面で改善すべき点がないか検証していきますと答弁をされていました。

ですので、本市のコンプライアンス委員会についてお尋ねします。

コンプライアンス委員会ができて3年がたつにもかかわらず、今までに5回しか開催していないと聞き及んでおります。このコンプライアンス委員会については、本市ホームページでもほとんど情報がなく、委員会を傍聴することもできない上、議事録も見せていただくことができませんでした。非公表にしている理由をお聞かせください。

◎大町一郎総務部長
松山市コンプライアンス委員会の会議は、コンプライアンスの推進に関する連絡調整や情報交換等を要する場合に、副市長であるコンプライアンス委員長が必要に応じ招集をしております。

コンプライアンス委員会は、行政内部の会議であり、個人情報やセキュリティーに関する内容を取り扱うため、原則、非公開としております。以上でございます。

◆向田将央議員
再質問をさせていただきます。

他市を見てみますと、こちらにあるのですが、定期的にコンプライアンス委員会を開催し、私が確認しただけでもすぐにたくさん出てきました。一つの市によると、定期的なコンプライアンス委員会で26ページにも及ぶ議事録があります。他市にできて本市にはできないのでしょうか、改めてお聞かせください。

◎大町一郎総務部長
先ほどもお答えいたしましたように、行政内部の会議でございまして、個人情報やセキュリティー、そういった内容を取り扱うため、非公開といたしております。以上でございます。

◆向田将央議員
再質問させていただきます。

定期的に開催せずに、事件が起こるたびに開催している、それが個人情報とかセキュリティーの話になるんではないでしょうか。定期的に事件が起きる前から毎月やるとか、そういうことをしていれば、セキュリティーとか個人情報という問題にはならないのではないでしょうか。

◎大町一郎総務部長
通常の伝達事項とかそれ以外のことでも、庁議とかそういう場において十分協議する場がございます。

今回のコンプライアンス委員会というのは、それ以上にも増して重要なという案件のため、副市長の招集がございましてコンプライアンス委員会をしております。それ以外につきましては、通常の会議とか庁議の中でそれに対して話し合いをすることができるということで、やっております。以上でございます。

◆向田将央議員
再質問させていただきます。
コンプライアンス委員会を5回しか開催してないということは、5回しか開催する必要がないという、なかったということでよろしいでしょうか。

◎大町一郎総務部長
先ほどもお答えいたしましたように、それ以外のものにつきましては、庁議とかそういう場で意思の伝達とか協議をしております。そういうことで、今回5回しか開催していないというのは、それ以前にそういう会議の中で解決をしておりましたので5回しか開催はいたしておりません。以上でございます。

◆向田将央議員
再質問します。
全職員に対してコンプライアンスの遵守を徹底される市長は、過去5回のコンプライアンス委員会に何度出席されたのか、お教えください。

◎大町一郎総務部長
たしか2回だったと記憶いたしております。

◆向田将央議員
再質問します。
外部の法律に詳しい有識者の方は、委員にいるのでしょうか。

◎大町一郎総務部長
コンプライアンス委員会は内部の組織でございますので、外部の委員はおりません。以上でございます。

◆向田将央議員
最後に再質問を。
市長は、コンプライアンス委員なのでしょうか、そもそも。お聞きします。

◎大町一郎総務部長
コンプライアンス委員長は副市長でございまして、それ以外の委員は庁内の部局長でございます。以上でございます。

◆向田将央議員
市長はコンプライアンス委員ではないということですね。

◎大町一郎総務部長
はい、そうでございます。

◆向田将央議員
次の質問に入らせていただきます。
10月7日、南海放送にて次のような報道がありました。

職員の収賄容疑での逮捕を受け、松山市は7日朝、緊急の会見を開いた。
野志市長は、職員の逮捕を受け、まことに申しわけなく心からおわび申し上げると陳謝した。

松山市によると、廃棄物処理業者への立入検査は、事業を適切に行っているかどうかを確認するため廃棄物対策課が定期的に行っていて、対象の業者は検査当日に決めるなど抜き打ちで実施している。山野本容疑者は、立入検査に関する情報について知り得る立場になかったことから、松山市では課内で情報が漏えいしていた可能性もあると見て調査する方針だ

とのことでした。

また、同日、愛媛朝日放送では、松山市の担当者は、山野本容疑者は立入検査の日程などを知る立場になく、どこから情報が漏れたかわからないとして、事件の全容解明が待たれるとも報道されており、どちらのマスコミも山野本氏が渡した資料は立入検査の情報だと言っています。

しかし、10月27日の愛媛新聞では次のように書かれていました。
要約すると、松山市の産業廃棄物関連会社に絡む贈収賄事件で、松山地検は、レッグ最終処分場問題に関する資料を業者に渡した見返りに440万円の高級外車を受け取ったとして、競輪事務所副主幹山野本慶三容疑者を起訴した。

同趣旨で高級外車を贈ったとして下伊台の産廃収集運搬会社ユーズエコプロジェクト社長宇田重陳容疑者を松山地裁に起訴した。地検によると、山野本被告が渡したとされるのは、約71億円の公費が必要なレッグ問題で責任追及の対象となり得る業者名を書いた資料とのこと。

高級外車を受け取った山野本被告は、廃棄物対策課の副主幹で同問題の執行リーダーだった。

捜査関係者によると、ユーズエコプロジェクトは責任追及となり得る対象業者としてこの資料に掲載されていた。

起訴状によると、山野本被告は昨年5月、市内の飲食店でレッグ問題の責任追及を検討する原因者責任検討部会の資料の一部の写しを渡し、宇田被告から謝礼と知りながら高級外車を受け取ったとされる。

松山市によると、原因者責任検討部会とは廃棄物の排出業者や収集運搬業者までさかのぼった責任追及が目的で、2013年度に始まり現在も続いている。委員の人数や開催日時も非公表で、関係書類などは市の担当者と委員以外は知り得ない。

廃棄物対策課は、書類を外に出すことはあり得ない。出ても、責任追及に影響するとは思えないと説明し、ユーズエコプロジェクトが対象だったかどうかは不利益情報となるので言えないとした。

南海放送や愛媛朝日テレビでは、松山市の担当者によると、山野本氏が宇田氏に渡した資料は、ことしの立入検査の情報だと言っています。

しかし、松山地検は、レッグ問題の責任追及の対象業者の資料だと言っています。お伺いします。松山市からの見解が報道のたびに内容が変わっているのはどういうことでしょうか。

なぜ松山市の見解が起訴状と異なっているのか、理由をお聞かせください。

◎大野彰久環境部長
今回の贈収賄事件に係る事実関係としまして、10月7日には、立入検査の情報を事前に教示するなどしていた謝礼として440万円相当の普通乗用自動車1台の供与を受けた収賄容疑で元職員を逮捕したことが愛媛県警察から発表されました。

その後、10月26日には、責任追及に係る業者名が記載された資料を業者に渡したという事実をもとに、加重収賄と地方公務員法の守秘義務違反の罪で元職員を起訴したことが松山地方検察庁から発表されました。

したがいまして、本市としては、10月7日から起訴されるまでの間は逮捕内容に基づく情報しか把握していなかったことから、本市が実施している立入検査の状況について見解を述べてまいりましたが、10月26日に起訴事実として新たな情報を把握したことから、起訴事実に関する質問があった場合にはその点についての見解を述べたものであり、起訴事実を把握する前の市の見解と起訴事実については異なっております。以上でございます。

◆向田将央議員
確認を含めて再質問をさせていただきます。
今言われたことをまとめると、当初、山野本氏が漏らした情報とは、立入検査の情報だと思っていたが、立入検査ではなく、責任追及の資料であったことを起訴されたときに初めて知ったということで、大枠ではよろしいでしょうか。

◎大野彰久環境部長
10月7日の時点で逮捕容疑はあくまでも立入検査の情報でありまして、その後、起訴されるまでの間は市としては立入検査の情報が漏れたということしか知り得ませんでした。そして、10月26日に起訴されたときに初めて原因者部会の資料が出たということがわかったということで、それまでは知らなかったということでございます。以上でございます。

◆向田将央議員
わかりました。じゃあ、次の質問に行きます。
先日開催されました環境下水委員会において、私より、この事件の情報を山野本氏は知り得る立場にあったのですかという質問をさせていただきました。

この質問に対して、山野本氏は、この事件の情報を知り得る立場にはなかったと答弁をされていました。

しかし、この答弁は山野本氏の起訴とは関係のない立入検査の情報に関して答弁をされていました。なぜ起訴事案であるレッグ原因者責任検討部会の資料については答弁されなかったのでしょうか。

議会開会日の市長報告においても、起訴事案に対して、山野本氏が担当リーダーとして中心となって資料を作成したとの発言があり、市長みずから山野本氏は知り得る立場にあったと認めています。

こちらに昨年度の廃棄物対策課の執行体制表があります。廃棄物対策課には大きく4つのグループがあります。その一つが不適正処理事案対策、すなわちレッグの担当の部署。もう一つが廃棄物処理業許可、すなわち立入検査の担当の部署。今回起訴された山野本氏はレッグ担当部署の執行リーダーです。

そして、今回の事件は山野本氏が自分の部署のレッグの情報を漏えいしたために発生したのではないでしょうか。にもかかわらず、先日の環境委員会でも議会開会日の市長報告においても、起訴事案でもなければ山野本氏と違う部署、すなわち若くして亡くなられた課長が執行リーダーを務める立入検査の部署のことを釈明されています。

ちなみに、議会開会日の市長報告では、廃棄物対策課の内部調査では、立入検査は当日に対象の事業者を決めており、担当ではない山野本が事前に情報を入手することが困難であることから、外出する職員の行く先の校区名や帰る予定時間を記載しているホワイトボードを見て立入検査の情報を推測した可能性が高いと考えていますと答弁をされています。

山野本氏が起訴されたのは自分の部署のレッグの情報であって、亡くなられた課長が執行リーダーを務める立入検査の部署ではありません。それにもかかわらず、松山市は起訴内容ではない立入検査の釈明を繰り返しされています。本当に重大な問題が、重大な不正行為が起訴内容ではなく、立入検査の部署に隠されているのではないでしょうか。

お伺いします。なぜ環境委員会にて起訴もされていない山野本氏の事件と関係のない立入検査についての答弁をされたのでしょうか。お示しください。

◎大野彰久環境部長
議員から環境下水委員会で質問があった10月15日の時点では、本市は起訴事実である原因者責任検討部会の資料の漏えいを把握していませんでしたので、その時点で逮捕容疑として把握している立入検査に関する情報について答弁を行ったものです。以上でございます。

◆向田将央議員
再質問させていただきます。では、なぜ、先ほども言いましたが、つい先日の議会開会日の市長報告のときも、立入検査は当日するとか、ホワイトボードを見て推測したのではなど、なぜ起訴とは関係ない立入検査についての答弁をされたのでしょうか、お示しください。

◎大野彰久環境部長 先ほどもお答えしましたとおり、10月15日の環境下水委員会の質問について、そのときは先ほど申しましたとおり、原因者責任検討部会の資料の漏えいを把握しておりませんでしたので、その時点でわかっている逮捕容疑についてのみの情報について答弁を行ったものでございます。以上でございます。

◆向田将央議員
答弁になっていないので。
先日の議会開会日の市長報告のときは10月15日を過ぎております。そのときも立入検査のことを言っていた。なぜ立入検査の答弁を、じゃあそのときはされたのか。関連しての質問なのでいいと思うんですが、よろしくお願いします。

◎大野彰久環境部長
議会開会日の市長報告の際は、もう既に起訴事実がわかっておりましたので、当然原因者部会の資料が出ていたことはわかっていたんですけれども、基本的に逮捕容疑について、そのときは逮捕容疑についても、それから起訴の容疑もわかっておりましたので、そのことについて両方とも答弁はできますので、市長報告のときにはそうさせていただいたんですけれども、あくまでも10月15日のときには逮捕容疑しかわかっておりませんでしたので、そのときはその答弁しかできなかったということでございます。

◆向田将央議員
よくわからないので、また紙で下さい。
次の質問に行かせていただきます。

28日の愛媛新聞の記事にはこのようにも記載されています。

山野本被告がレッグ最終処分場問題に関する資料を業者に渡した見返りに、高級外車を受け取り、起訴されたことを受け、野志市長は会見で、約71億円の公費が投入されるレッグ対策工事への山野本被告の関与について、工事は今年度に詳細内容を検討しており、ことし4月に競輪事務所へ異動した山野本被告が工事に関する情報を入手することはないとしている。

お伺いします。山野本氏が渡した資料について、ことしの立入検査に関する情報の資料と言われたり、これから始まるレッグ工事の資料のことを言われたりしていますが、今問題になっているのは、昨年5月のレッグの責任者追及の資料ではないのですか。山野本氏が渡した情報とは一体何だったのか、改めてお聞かせください。

◎大野彰久環境部長
元職員が漏えいさせた情報については、捜査機関等から発表された内容により、逮捕容疑とされた立入検査に関する情報と起訴事実とされた原因者責任検討部会の資料であると承知しています。

また、レッグ工事の入札関係の情報はこれまで漏えいしたという情報に接していないことに加え、元職員が異動した後の本年4月以降に詳細な検討を重ねたもので、かつ厳重な管理をしていたものであり、元職員が接する可能性はなく、漏えいはないものと認識をしています。以上でございます。

◆向田将央議員
今の答弁は、結局まとめると、立入検査の情報とレッグ責任追及の資料と両方を山野本氏は渡していたということですか。

◎大野彰久環境部長
逮捕容疑とされた立入検査に関する情報と起訴事実とされた原因者責任検討部会の資料、両方であると承知しています。以上でございます。

◆向田将央議員
再質問させていただきます。先ほどの愛媛新聞の記事をもう一度読みます、一部を。山野本氏が渡したとされるのは、71億円の公費が必要なレッグ問題で責任追及の対象となり得る業者名を書いた資料とあります。山野本氏が両方漏らしたとは書いていません。この記事が間違っているんでしょうか。

◎大野彰久環境部長
捜査機関等から発表された内容により、逮捕容疑とされた立入検査に関する情報と起訴事実とされた原因者責任検討部会の資料であると承知をしております。以上でございます。

◆向田将央議員
私が先ほど再確認のため再質問を、確認のための再質問をさせていただきました。その確認のための再質問をもう一度読みますと、山野本氏が漏らした情報とは立入検査の情報だと思っていたが、立入検査ではなく、責任追及の資料であったことを起訴されたときに初めて知ったということでよろしいでしょうかと聞いたら、大野部長は、それを繰り返し、そうですというような答弁をされました。そうではなかったということでしょうか。

◎大野彰久環境部長
10月7日の時点では、あくまでも立入検査の情報しか私は知りませんでしたので、そういう答弁をさせていただきました。そして、起訴されたときには、原因者部会の資料が漏れたということなので、それを今の時点では両方とも流れたということで承知をしております。以上でございます。

◆向田将央議員
大野部長の言い方だと、初めは両方じゃなくて、僕は変わったと思っていたんですよ。起訴と逮捕の容疑のときの資料と起訴の容疑は違っていて、変わったと思っていたんですが、実は両方だったということですね。だったら、なぜ両方の資料を渡したという時点、わかった時点で委員会なり定例会見なり、議会開会日の市長報告なり、何かしらで報告ができたと思うんですけれども、市民の皆様は、両方を渡したと思ってないんじゃないでしょうか。

◎大野彰久環境部長
何回も申し上げますが、10月7日から26日の起訴されるまでの間というのは、立入検査の情報しかわかっておりませんでしたので、その間に開催された環境下水委員会の中では立入検査の情報で御答弁させていただいたような状況でございます。

そして、10月27日以降に、起訴内容がわかったということで、それ以降については逮捕の立入検査の情報とか原因者部会の情報が出ていたということについて、御報告させていただいたと考えております。以上です。

◆向田将央議員
さらに記事を読み進めますと、資料を受け取ったユーズエコプロジェクトが責任追及の対象だったかどうかについて、西泉副市長は会見で対象ではないと述べました。

お伺いします。新聞報道によると、捜査関係者は、ユーズエコプロジェクトは責任追及の対象となり得る業者名に掲載されていたとあります。しかし、副市長は責任追及の対象ではないと述べられました。市民の皆様は判断に迷われると思いますが、どちらが正しいのでしょうか。相違の理由を含めてお示しください。

◎大野彰久環境部長
今回の起訴事実とされた原因者責任検討部会の責任追及対象となり得る業者名が記載された資料には、ユーズエコプロジェクトの名称はないことから、この事実をもとに副市長は責任追及の対象ではないと述べたものです。なお、新聞報道の内容につきましては、どのように情報収集を行っているのか、本市は把握しておりませんので、相違理由についてはわかりかねます。以上でございます。

◆向田将央議員 マスコミに対して、報道と、これは大きなことだと思うんですが、報道が事実と違う旨は抗議なりお伝えはしたのでしょうか。

◎大野彰久環境部長
はい、伝えました。以上でございます。

◆向田将央議員 先方の結果は。

◎大野彰久環境部長
伝えた結果、報道機関のほうからは捜査機関のほうから確認しているというふうなことは伺いました。以上でございます。

◆向田将央議員
もう一度だけ再質問させてください。山野本氏は、資料を持っていた側ですよね。ユーズエコプロジェクトが責任追及の対象に載ってなかったということ、山野本氏はそもそも資料を渡す時点でユーズエコプロジェクトが対象でないことを、載ってないのを渡してその見返りが440万円ですか。

◎大野彰久環境部長
そこについては、公判のほうで明らかになってくると思いますが、現時点ではわかりかねます。以上でございます。

◆向田将央議員
松山市は、今回の一件で一体何を隠しているのでしょうか。
ここまで松山市や市長の発言が二転三転し、報道との食い違いが生じている以上、市民の皆様は何を信じればよいのでしょうか。

10月13日の愛媛朝日放送のニュースでは、

松山市職員が絡む贈収賄事件で職員逮捕直後に廃棄物対策課長が遺体で見つかったことについて、野志市長は13日、事件と関係ないと信じると述べた。

この事件は、松山市の副主幹山野本慶三容疑者が去年市内の産廃業者に立入検査の情報を教えた見返りとして高級外車を受け取ったもので、山野本容疑者の逮捕直後、元同僚で40代の廃棄物対策課長が市内の山間部で遺体で見つかった。

その件について、野志市長は、13日の定例会見で、職員が亡くなられたのは大変残念、事件との関連性はないと信じている

との市長の見解が示されています。
また、その定例会見で、記者から、市として調査はしたのかという質問に対して、市長は、

現在捜査中です、今後、具体的なことが明らかになると思いますので、それらを踏まえて具体的な再発防止を検討していきたいと考えています

と述べられました。
お伺いします。この問題が発生した原因とは、組織の問題でしょうか、それとも個人のモラルの問題だとお考えでしょうか。

◎大野彰久環境部長
本市としましては、今回の贈収賄事件は個人のモラル欠如による要因が大きいものと考えています。
しかし、組織の一員である以上、市としては各職員に対しコンプライアンスの遵守を徹底することはもとより、利害関係者との適正な関係や情報管理のあり方について徹底すべきであると考え、再発防止に取り組んでいるところです。

また、元課長の件につきましては、今回の不祥事との関連について捜査機関からの情報に接していないことに加え、訃報があった翌日に廃棄物対策課の全職員に対し情報提供を呼びかけましたが、新たな情報は寄せられなかったことから、今回の不祥事との関連はないものと考えています。以上でございます。

◆向田将央議員
わかりました。次に行きます。

事件の舞台となったこの廃棄物対策課で、大切な方の命が失われ、故人の魂は市役所に残されたままです。事件との関連性がないと信じているのであれば、それを立証するために、すぐに内部調査をして原因追求をするのが当たり前ではないでしょうか。

警察の捜査もここまで進んだ以上、このまま終わらせていいわけがありません。

レッグ問題で業者の原因者追及をしていますが、その前に、市役所内の原因を突きとめるのが先ではないでしょうか。それとも、公にできない理由でもあるのでしょうか。

今回の事件は氷山の一角で、実はもっと根深いものではないのですか。ほかに何かあると疑われても仕方がないと思います。お伺いします。市長の釈明会見では、廃棄物対策課の内部調査をした旨が述べられていました。亡くなられた課長が執行リーダーを務める立入検査の部署も廃棄物対策課です。内部調査の結果はどうだったのか、お示しください。

◎大野彰久環境部長
今回の不祥事を受け、再発防止を図るためには、情報管理体制や流出経路等を把握する必要がありますので、担当職員に対し聞き取りを行うなどの調査を実施いたしました。

その結果、立入検査情報については、担当者ではない元職員が事前に情報を入手することは困難であることから、職員が外出する際に行き先の地区名や帰庁予定時間を記載しているホワイトボードを見て、立入検査の情報を推測した可能性が高いものと考えています。

一方、責任検討部会資料の漏えいについては、元職員が担当していた業務であり、資料の作成段階から携わっていたため、元職員が所持していた資料が直接漏えいしたものと考えています。なお、元課長については、先ほどお答えしましたとおりであり、今回の不祥事とは関係ないものと考えています。以上でございます。

◆向田将央議員
内部調査はもう終わったということですか。

◎大野彰久環境部長 はい、今現段階できる調査は行いまして、これから今後公判がありますので、新たな事実が判明したら、また調査を行いたいと考えております。以上でございます。

◆向田将央議員
私が本日冒頭の挨拶で、何事も制度方法を論ずるとも、その人に非があれば行われがたしと、この言葉を選んだ理由には、市長が、幾らコンプライアンスを徹底していきます、情報管理を徹底していきますと言われても、そこに非がある以上、原因を突きとめないまま制度方法を論じても行われがたいと思っているからです。

私は、別に何か犯人捜しをしようとか、そのようなことを意図して今回の質問を行っているわけではありません。

そもそも、このレッグ問題にしても、責任は業者であるレッグにあり、本市は関係ないと言い続けるような体質、報道によって内容が二転三転するような体質、コンプライアンスと言いながら行動が伴っていない体質、内部調査をいつまでもしないような松山市の体質こそが目も当てられない結果を招いた原因となっているのではと申したいのです。

山野本氏が行った行為は決して許されるものではありません。しかし、彼が行ったような行動が容易に行える松山市役所の体質そのものに問題があるのではないかと私は思いますが、野志市長は今日までの松山市役所の体質についてどのようにお考えでしょうか。

◎野志克仁市長
これまでも、ほとんどの職員は、倫理原則や行動基準を遵守し真面目に一生懸命市民の期待に応えようと頑張ってまいりました。また、仕事や組織などの改善、改革に日々取り組み、風通しのよい明るい職場づくりにも努めております。

このたびの事案は、公務員としての倫理観や社会人としての最低限のモラルさえ欠如した元職員の資質が最大の原因であり、市役所の体質そのものに問題があるとは考えておりません。

一方、本来遵守されるべき基本的なことが徹底されていなかったことも一つの要因であったこと、また職場の改善の取り組みに終わりはないことから、今まさに不祥事を起こさない、起こさせないため、できること全てに懸命に取り組んでおります。引き続き、不祥事の根絶のため、リスクへのさまざまな対策を講じるなど、全職員が一丸となって市民の皆様の信頼回復に全力を挙げて取り組んでまいります。以上でございます。

◆向田将央議員 松山市役所の体質が少しでもよくなっていくことを心から願い、私の一般質問を終わらせていただきます。

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