平成27年6月定例会議会質問 に於きまして、私は松山市に対して、かつて松山市が取り組んできた「坂の上の雲まちづくり事業」について議会質問をさせていただきました。

私がこの議会質問を行った最大の目的は、松山市中心市街地経済を再び活性化させることにありました。


(Wikipediaより引用)

私たちが子供のころの松山市、現在の堀之内公園には、現在市坪に移転された野球場、競輪場、プールなどのスポーツ施設が存在しました。

特に春休みや夏休みのシーズンには、ここで高校野球の予選なども開催され、松山市中心部には選手たちの打球音、観客席からの完成、サイレンなどが響き渡り、「高校野球」という一つのテーマに対して、松山市民全体の「一体感」をそこに感じることができました。

プールもここに設置されていたことから、堀之内にスポーツ施設があるという、ただそれだけで松山市中心部、まつちかから始まり銀天街、大街道、ロープウェイ街にまで続く商店街の賑わいの一役を担っていたように記憶しています。

私は、松山市中心部経済が衰退した理由の一つに、スポーツ施設が移転されたことが大きく関係があるのではないか、と考えていたのです。

堀之内からスポーツ施設が移転された理由

堀之内からこれらのスポーツ施設が移転された最大の理由は、これらの施設の「老朽化」にありました。

元々は施設の移転ではなく、改修・改築が想定されていたのですが、元々堀之内という地域は、松山城と共にその地下には戦前の遺構が埋設されている「国指定史跡」であり、ここに手を加えるためには文部科学省の認可を受けることが必要であり、これらの遺構を傷つけることなく再開発を行う事は容易ではない、との理由から「移転」という選択肢が取られました。

堀之内の再開発を行う事は本当にできないのか?

ですが、施設の老朽化に伴ってこれらのスポーツ施設が取り除かれる前は、既にここにはスポーツ施設が現に存在したわけですし、調査さえ終われば、再び再開発を行う事は可能なのではないか、松山市がここを広大な更地のまま放置し、一向に手を付けようとしない理由は、本当は松山市が文部科学省より認可を受けるという手続きを経ることを嫌がっているからで、きちんとした手続きさえ取れば、この地域を再開発することは出来るのではないかと考え、私は同回の議会質問を行いました。

例えば、現在砥部町との境付近にあり、交通の便の悪い場所にあるサッカースタジアムを、この地域に移転させるだけで、これは松山市中心市街地に対して大きな経済効果を生むのではないか、とこのように考えたわけです。

文部科学省よりの回答

議会質問を行い、その上で松山市から納得のいく答えが得られなかったことから、特にこのホームページを作るにあたり、本当のことが知りたいと考え、私は文部科学省に実際に問い合わせを行いました。

結論から申し上げますと、松山市が主張していた通り、堀之内を再開発することは、例えば堀之内に大型の建設物を建立する為、一本の杭を打ち込むだけでも遺構を破壊してしまうことになるため、文部科学省として再開発の申請を許可することはほぼ考えられない、との回答をいただきました。

この質問を私は翌年、平成28年6月定例会質疑 に於いてもさせていただいたわけですが、結論として私の主張が間違っていたことが解りました。

他の都府県でも、例えば福岡ソフトバンクホークスの本拠地である福岡ドームでさえ、その地下には松山城同様歴史的建造物の遺構が埋設されていることから、将来的には移転を行う事が検討されているのだそうです。

まとめ

確かに私の主張は誤っていましたが、ですが、だからと言って私の考え方そのものが間違っている、とは考えていません。

スポーツ施設を市坪に移転させたのであれば、松山市中心部と同様とまでは言わないまでも、松山市中央公園周辺で松山市経済を活性化させるための商業施設を誘致するような工夫は当然必要でしょうし、アクセス方法についても利便性を挙げる必要があります。

また、同様にスポーツ施設が失われたことによって松山市中央商店街が受けた影響を取り除くような工夫も当然必要になります。

松山市はこの方法として「坂の上の雲まちづくり事業」に取り組んだのですが、リーマンショックの影響と、近隣にエミフル松前という大型の商業施設が開設されてしまったことから、松山市中央商店街全体の売上高は、事業実施年度より、安倍内閣がスタートした平成25年度にかけて、継続的に下落しています。

具体的には、事業年度実施年度である平成16年の売上高が松山市中央市街地全体で、年間で2715億円だったものが平成22年には2179億円、平成25年には2083億円と減少しています。

自治体全体で見ても、確認できる最新の情報である平成25年の市町民総生産から遡って平成23年まで比較しますと、

平成23年度前年同月比
松山市 100.9%
松前町 114.4%

平成24年度前年同月比
松山市 98.9%
松前町 105.6%

平成25年度前年同月比
松山市 99.5%
松前町 107.4%

と大きく水を開けられています。

エミフル松前は民間企業が出資して建立されたものですが、坂の上の雲まちづくり事業では総事業費70億円の内42億円を松山市が負担していますし、松山中央公園の工事費も例えば坊っちゃんスタジアムの建設費が118億円、プールの建設費が50億円かかっており、当然これは松山市が負担しています。

ですが、これだけの資金をかけていながら、私たち松山市民は、その恩恵を直接実感するには至っていないのです。

松山市の経済を活性化させるのであれば、やはり松山市中心市街地の経済を、継続的に活性化させるための工夫がやはり必要です。活性化の為、堀之内を活用するというアイデアは現実的ではないという結論に至りましたが、今後も松山市中心市街地の活況を取り戻すため、新しいアイデアを松山市に対して提示していきたいと思います。

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