◆向田将央議員 おはようございます。自民党議員団の向田将央でございます。
ハチドリという世界で最も小さな種類の鳥がいるのですが、南米アンデスに古来より伝わるハチドリのひとしずくという物語があります。
森が燃えていた。でも、一羽のハチドリだけは行ったり来たり、くちばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは火の上に落としている。動物たちがそれを見て、そんなことをして一体何になるんだと言って笑っている。ハチドリはこう答えた。僕は僕にできることをしているだけ、そして構わず一滴の水を運び続けた。
市議会議員として1年が過ぎました。自分の力ではどうすることもできないと思うことにも、このハチドリのように目を背けず、背伸びをせず、2年生の自分にできることを全力で取り組むことをこの場で誓い、以下、トップバッターとして一般質問に入らせていただきます。
最初に、平成16年から平成20年にかけて、国土交通省より補助金を受けて実施された坂の上の雲まちづくりについてお伺いします。
坂の上の雲まちづくりとは、平成16年から平成20年にかけて松山市が国土交通省より補助金を受けて実施された松山市中心地区の都市再生整備事業のことです。同事業の総事業費は70億3,200万円です。このうち、国からの補助金は28億円で、補助金を除くと合計42億円もの事業費が松山市から支出されています。
この情報は、松山市のホームページ上で誰でも閲覧することができます。同資料によりますと、この事業は、観光客、公共交通機関の利用者数、観光施設の利用者数、中心街への誘致企業の新規雇用者数について、それぞれ目標を設定し、これを実現すべく行われました。
しかし、本市が国土交通省に提出した報告書によりますと、公共交通機関の利用者数以外、全ての項目で目標値を大幅に下回っております。事業としては決して成功したとは言えない結果となっております。一方で、国土交通省のホームページには、まちづくり補助金事業の事例として松山市が行った同事業が掲載されています。そこには、この事業を行うに至った5つの背景が上げられていました。
まず1つ目に市の中心部における人口の減少、2つ目に中心市街地の売り上げの低迷、3つ目に車社会に適応した大型ショッピングセンターへの消費者の流出、4つ目に自転車利用者がふえたことによる放置自転車の増大、そして5つ目に観光客の大幅な減少に伴う市街地の衰退。
市長にお伺いします。この事業を実施した本来の目的は、この5つの課題を改善することにあったのではないでしょうか。施策を実施した結果、この5つの問題はどのように改善されたのでしょうか。松山市民の大切な税金を42億円も用いて行われた施策です。その結果、どのような利益が松山市民に対してもたらされたのでしょうか。施策前後を比較し、具体的な指標を用いてお答えください。
次に、まちづくり補助金の対象ともなっております史跡城山公園、このうち二之丸史跡庭園についてピックアップしてお尋ねします。
5月4日、産経ニュースにて、姫路城の復活で日本の城ランキングが大幅変動する可能性ありという記事を目にしました。同じ記事が、5月27日、産経新聞にも掲載されています。
抜粋要約すると、
国宝姫路城が平成の大修理を終えてグランドオープンした。
連日整理券が配付されるほど大勢の観光客でにぎわっている様子を苦々しく見ているのが松山市だ。松山市観光・国際交流課によると、さすがは日本を代表する名城、美しい姿は魅力的でグランドオープンには敬意を表したい。正直、姫路城の人気ぶりには脅威を感じていますと控え目な口ぶりで話す。
そんな中、松山城では、本丸だけでなく二之丸史跡庭園や三之丸、すなわち堀之内地区の整備が進められている。太平洋戦争終戦まで、陸軍兵が生活する兵舎があったこの堀之内は、戦後は野球場やテニス場、プール、競輪場、がんセンターなどの施設ができたが、平成12年策定された城山公園(堀之内地区)整備計画に基づき、多くの施設を移設、撤去した。
松山市公園緑地課によると、野球場、プールなどの施設を移設、撤去した結果、松山城の大きな特徴である本丸と二之丸を結ぶ登り石垣や二之丸に再建されたやぐらなどがよく見えるようになった。今後は、二之丸を囲む堀を復活させるため議論を重ね、さらなる整備も検討している。
これは本丸と比べて10分の1の入場者しかいない二之丸史跡庭園に活力を与える方策として期待されているという内容の記事でした。こちらの記事によりますと、城山公園から多くの施設を移設、撤去した結果、担当者の言葉として、本丸と二之丸を結ぶ登り石垣や二之丸に再建されたやぐらがよく見えるようになった
とあります。
とても前向きな表現をしていますが、実際の来場者数の推移を見てみますと、まちづくり補助金事業の最終年度である平成20年と比較して、21年度マイナス0.6%、22年度マイナス12.1%、23年度マイナス19.4%、24年度マイナス17.3%、25年度マイナス17.9%と全ての年度で施策完了前の数字を下回っております。
70億円の総事業費のうち、10億5,000万円もの事業費が城山公園の整備に充てられています。
これだけの事業費をかけて、その結果がこれでは余りにも寂しい限りです。平成21年、22年、23年と年を追うごとにその入場者数は激減し、23年から25年にかけては、マイナス15%を下回り、2割にも近い減少率となっております。記事によりますと、本丸と比べ10分の1の入場者の二之丸史跡庭園について、今後の入場者数をふやす方策が、さらに堀之内を整備し堀を復活させることとあります。
市長にお伺いします。補助金事業として総額70億円もの費用を費やし、さらに莫大な予算をかけて堀を整備することで整備に費やした事業費を賄えるほどの来場者数を見込めるとお考えなのでしょうか。だとすれば、将来にわたってどの程度の入場者数と収益を継続的に見込めるとお考えなのでしょうか。その具体的な根拠とともにお聞かせください。
さらに、二之丸史跡庭園の復元には総額で16億円もの事業費が費やされています。庭園を復元したことによって、松山市全体として16億円の事業費に見合った経済効果が生まれたのでしょうか。あわせてお答えください。
総額16億円をかけて庭園を復元し、さらに70億円をかけて堀之内を更地にした成果が、登り石垣と平成4年開園の二之丸のやぐらがよく見えるようになっただけというのは余りにも寂しい結果です。そもそも、二之丸史跡庭園に観光客が行かないのは、本丸から移動するには動線として距離がある上、お城目当ての観光客にとってはしょせん二之丸庭園は平成になって新しくつくられた建造物であり、城跡の観光地として魅力がないからではないでしょうか。
市長は、以前、堀之内を松山市のセントラルパークにするとおっしゃっていました。ですが、セントラルパークというのは、都市圏人口2,000万人以上のニューヨークのように気軽に自然を堪能できないからこそ必要であり、車で少し走れば大自然が広がる本市に、果たしてセントラルパークが必要でしょうか。
松山市は、伊予鉄を中心とした電車網が整備されており、ターミナル駅である松山市駅に隣接する堀之内は、更地で放置するより大規模集客施設をつくったほうが、これからの人口減少、高齢化社会の中では有効だと思っています。堀之内に近隣の坊っちゃんスタジアムや大型ショッピングセンターを上回る魅力、何としてでもそこに行きたいと人々が感じられるほどの魅力を持たせることが必要ではないでしょうか。
そこでお伺いします。現在の構想上にある堀之内に坊っちゃんスタジアムや松前の大型ショッピングセンターを上回る魅力があると市長は本気でお考えなのでしょうか。
50万都市のまちなか一等地の有効利用策が堀を復活させることというのは、余りにも無策で時代に逆行するのではないでしょうか。御所見をお伺いします。
次に、現在の市民会館及び堀之内についてお伺いします。
2015年1月21日付愛媛新聞のJR松山駅について書かれている記事の中で、堀之内の市民会館についての松山市の見解が次のように載っていました。現在の市民会館について、国有地の史跡内にあり、現在地では建てかえられないとのことでした。
私の認識では、ここで言う現在地というのは現在市民会館が建っている敷地を指しており、遺跡調査の終わった堀之内の更地部分への移設、建てかえは可能だと思っています。このような新聞報道では、現在地とすることで史跡である堀之内に建物は建てられないといった誤った認識を市民に与えてしまうのではないでしょうか。
私は、とあるルートを通じて国土交通省、文部科学省に確認する機会を得ました。国土交通省及び文部科学省によると、松山城の堀之内に建物を建てられないのは、松山市が都市公園にしたからであり、国としてとめている事実はないとの返答を得ました。つまり、松山市が堀之内に建物を建てられないのは史跡だからではない。
にもかかわらず、ねじ曲げられた市の広報、報道により、市民の皆様は史跡だから建てられないと思っている方が多数います。
このように誤った情報によって松山市民が公平な立場から考えることができなくなるようなことはやめるべきであり、これからは市民に対して正確な情報を開示して、意見を募集し、客観的、公平な立場から議論した上で、本当に松山市全体にとって意義のある堀之内の有効な利用方法を決めるべきではないでしょうか。
市長にお伺いします。なぜ史跡だから建てられないという誤った情報を流し、世論を誘導し、堀之内の利用方法をわざわざ限定してしまうような方法を選択したのでしょうか。松山市民が納得できるようなお答えをお聞かせください。
また、これを機会に、さまざまな立場の市民と直接話し合い、経済、景観、防災などさまざまな視点から堀之内の有効な利用方法について意見を出し合うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
松山市で中央市街地の空洞化が叫ばれて久しいですが、私は、松山中心部が衰退したのは、郊外の大型店舗の出店と、プラス堀之内の更地化だと思っています。さらには、移転先となった松山中央公園が松山市と松前町の境であることも大きな要因ではないでしょうか。
郊外の集客能力絶大な大規模店舗出店と松前町の目の前に坊っちゃんスタジアムや市営プールなどをつくったことにより、松山市民の多額の税金を使って松前町へ人の流れをつくって、松前町を豊かにしているような気がしてなりません。
松前町との境にありながら、松山中央公園と名づけたことも理解に苦しみます。やはり松山市民の税金は松山市民のために使うのが基本ではないでしょうか。松山の先人たちは、堀之内に大規模集客施設があることを前提に、路面電車やバスなどの交通インフラを長い年月をかけて築き上げてきました。
私は、移転前の城山公園と同等またはそれ以上の集客力を持った大規模施設を松山中心部に復活させることが、松山の元気を取り戻すため何よりも必要な施策だと考えています。施設が失われてから10年以上が経過しようとしています。松山から失われた経済、人、時間、余りにも大き過ぎます。
また、防災の観点から見ても、堀之内に、緊急時に寒さがしのげ、避難所として利用できる災害に強い施設をつくることは有効です。仮に松山や瀬戸内海で直下型の大規模な地震が起きた場合、特に想定しておく必要があるのは阪神大震災のような都市型の地震です。
特に、松山の中心街は比較的高いビルやマンションが多く、古い建物が多い地域もあります。堀之内は敷地も広く、落下や倒壊の被害に遭う危険性も少ないですから、災害に強い大型の施設があれば緊急時にも非常に有効です。松山の経済の発展に貢献し、また防災拠点ともなる施設があれば、ますます松山を安心できる元気な都市として生まれ変わらせることができるのではないでしょうか。
現在の厳しい財政事情では難しいと言われるかもしれません。ですが、西条から400億円をかけて水を引っ張ってくるくらいなら、そのお金を松山中心部の再開発に使ったほうが松山の未来にとってはよっぽど価値があると私は思っております。
市長にお伺いします。現在、堀之内の維持管理に年間どの程度の予算が割かれているのでしょうか。その金額と内訳を教えてください。
私は、松山中心部の復活と防災、両方の観点より、堀之内の再開発こそ松山再生の切り札になると思っていますが、野志市長はどのように思っているのか、お聞かせください。
続きまして、松山市を本拠地とするJ2愛媛FCに対する本市の姿勢についてお伺いします。
4月8日付の日本経済新聞に、ことしJ2に昇格したツエーゲン金沢の記事が載っていました。引用すると、
ツエーゲン金沢がJ2に昇格した。これを機に、兼六園を有する金沢市はJ2リーグで大名庭園がある水戸市、岡山市、高松市と連携し、相互に観光客誘致のためのPRを進めているが、金沢市長はJリーグの存在意義はそれだけにとどまらないことに気づいた。
同市長によると、プロスポーツクラブがあることはまちが元気になる、明るくなるだけではなく、実は地域コミュニティの再構築、強化につながり、結果、地域の子どもへの目配りが細かくなり、地域の教育力が上がり、地域の安全にもつながる。
Jリーグには地域コミュニティの総合力を開ける力が潜在している
と言っておられます。
新しくJリーグに参入しようとする全国の首長は、このような高い意識を持って主体的に活動しています。ま
た、J2のレベルはこの10年で上がっており、愛媛FC参入時とは大きくさま変わりをしています。今や、予算10億円、20億円のクラブが当たり前となっており、愛媛FCのような母体企業のない市民クラブは、観客を毎試合1万人近く集めて入場収入を稼がないとやっていけないのがこれからのJ2リーグの実情です。
松山市郊外、とべ動物園横のニンジニアスタジアムへのアクセス、立地では、月2回、1万人を集めないといけない今のJ2リーグの興業がいかに難しいかは、市民感覚がある松山市民なら誰でもわかることです。それでも、この10年で、松山市においても愛媛FCがあることによって地域コミュニティは深まり、広がっています。
松山市民だけでなく、県外在住の出身者、サッカーファンを巻き込んだつながりになっています。さきの東日本大震災で愛媛FCサポーターが連携して東北支援ボランティア活動を行っているのを御存じでしょうか。
市長もよく御存じのちょんまげ隊長ツンさんも愛媛FCがあればこそ、この松山にやってきて、東北の被災地支援報告会、また東北の子どもたちを松山に招待するなどの活動をしてくれています。
Jリーグは、地方の市民にとって、日本のみならず世界とつながるための重要なツールとなっています。現に愛媛FCのホームの試合には何百人単位の対戦相手のサポーターがやってきているのです。
私たちのまちにJリーグがあることにより、松山市は愛媛FCの多大な恩恵を受けていると思っており、お伺いします。
Jリーグに入って10年目の愛媛FCを抱える松山市の今後の姿勢についてお聞かせください。
また、以前、愛媛新聞で報道された愛媛県知事による愛媛FCの今治移転発言、これに対して野志市長が沈黙を守った理由をお聞かせください。ほかの自治体なら、即日市長が緊急会見を開いて、今治移転断固反対を表明するのが当然だと思うのですが、野志市長の見解をお聞かせください。
また、野志市長は、FC今治を御存じでしょうか。FC今治は、サッカーを通して、今治に、日本に、世界に、夢と勇気と希望、そして感動と笑顔をもたらすとともに、10年後の2025年にはJ1で常時優勝争いをするチームとなり、5人以上の日本代表選手を輩出するとビジョンに掲げています。
FC今治は、岡田前代表監督のもと、世界的クラブを目指すと宣言しているのです。そこでお伺いします。愛媛FCの今治移転といい、サイクリング事業といい、愛媛県知事は今治に御熱心のように見受けられますが、県都松山として、このまま愛媛FCがFC今治におくれをとってもよいとお考えでしょうか、御意見をお聞かせください。
また、愛媛FCは、J1、J2リーグを合わせて観客動員数が最下位なのを御存じでしょうか。その原因は何だと考えますか、お聞かせください。
次に、松山の明るい未来を本気で考えている千葉在住の知人が、ことしの1月、松山市長宛てにわがまちメールを出した内容よりお伺いします。もちろん本人の許可を得ています。
知人がわがまちメールで送付した内容は以下のとおりです。今回、松山駅周辺地区車両基地跡地の利用に関する基本構想案に対する意見を募集しますというパブリックコメント募集の対象者を松山市民、勤務者に限定しているのはなぜでしょう。
JR松山駅周辺の再開発は、市民に限らず観光客など多くの人を集める場所を目指しているのではないでしょうか。松山市には、市の玄関口の開発に対しては広く世界の人に意見を求める姿勢を求めますという内容です。ふるさとを思う出身者ですら受け付けてもらえない。
そもそもJR松山駅を利用するのは松山市民だけでしょうか。おもてなし日本一のまちを掲げる松山市だからこそ、市の玄関口の開発に対しては広く意見を求めていくべきではないでしょうか。
知人は、この内容をホームページに掲載することを希望していました。ですが、ホームページに掲載されることはなく、2週間後、郵送にて返答が来ました。返答の内容は次のとおりです。
この制度は、市が政策を実施することにより直接影響がある、市内に居住されている方を初め、市外の方であっても、通勤や通学などで日常生活や事業生活で深くかかわりのある方は大きな影響を受けることがあると考えられるため実施しています
との回答でした。
ですが、質問メール文から見ても、知人が通勤や通学などで日常生活や事業生活で深くかかわりのある方のことなど質問していないことは明らかです。
文書は、野志市長の名前で郵送されています。ですので、市長にお伺いします。市長がこのわがまちメールの質問に正面から向き合わず、まるで質問から逃げるかのような内容で回答されたのは一体どういう理由でしょうか、お聞かせください。
また、さらにお伺いします。松山市のホームページでは、ホームページに公開できない場合の内容として、3点上げられています。個人・団体の不利益になるものまたはそのおそれがあるもの、市の所管する事務でないもの、わがまちメール公開審査会が公開を適当でないと判断するものとあります。当該メールを公開することが一体どのような理由で公開に適当でないと判断されたのでしょうか、具体的な理由をお聞かせください。
続きまして、松山市保健所生活衛生課の職員による市長公印を無断で押して交付した不適正事務処理についてお伺いします。
12月16日に発表されました墓地管理に関する38件もの不適正な事務処理について、この職員は正式な文書に市長公印を無断で押印し、申請者に交付していたと聞き及んでおります。
報道によりますと、
当該職員は2013年4月から墓地管理を担当するものの、8月下旬から療養休暇中で、11月14日に市民から申請したが連絡がないとの電話があり、療養休暇中であった職員の机の書類を探したところ、今回の事件の発覚に至ったということで、また中には未処理のまま放置されている書類も発見された
と聞き及んでおります。
そのため、同日から調査を開始し、対象職員が出勤してきた11月25日に確認させたところ、不正が発覚し、報道発表に至り、その後の対応について松山東警察署に相談しながら進めているとのことでしたが、そこでお伺いします。不適正事務処理38件の内容、内訳とその当時申請していた市民の皆様に与えた影響を教えてください。
また、市長公印は事件発覚以前、ふだんどこに保管していたのか。鍵のかからない場所、いわゆる誰でも取り出せる環境にあったのでしょうか。
また、今回に至った経緯は、職員の長期休暇と市民からの電話により発覚しました。ということは、もしもこの職員が長期休暇をとっていなければ、もしも市民から電話がなければ、現在も無断押印が常習化されていたと思われますか。お聞かせください。
また、今後、他の部署でも同じようなことを繰り返さないために、本市として事件発覚後、以降とった対策をお聞かせください。
以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。理事者の明快なる御答弁をよろしくお願いいたします。

◎野志克仁市長 向田議員に、私からは、堀之内と二之丸史跡庭園のうち、堀之内の魅力についてお答えいたします。

城山公園は、明治7年に松山初の公園として開園してから今日まで、多くの皆さんに親しまれています。また、城山公園のほぼ全域が昭和27年に史跡松山城跡として近世における城郭の価値を認められ、国から史跡指定されました。

このような中、平成12年度に策定した城山公園(堀之内地区)整備計画では、将来像に関する市民アンケートを踏まえて、市民団体を含む検討委員会で堀之内全体の基本的な整備の方向性などが検討されました。その計画に基づき、平成22年に完成した堀之内の第1期整備エリアは、城跡と公園緑地が調和し、松山城の史跡景観を生かしながら、四季の移ろいを感じ、安心して利用できる広々とした公園へと生まれ変わりました。

今では、城山の豊かな緑や松山城の天守を望む雄大な史跡景観を背景とした松山版セントラルパークとして、中心市街地の中にあっても多くの皆さんがゆったりと安全に安心してジョギングや散策などを楽しめる公園として御利用いただいています。

そこで、堀之内の魅力についてですが、堀之内という中心市街地のほぼ中央に広大なオープンスペースが創出されたことから、現在では、愛媛マラソンのメーン会場やえひめ・まつやま産業まつりなど、子どもから大人まで幅広い人々が集い、交流を図り、憩い、楽しめる場所として中心市街地の活性化にもつながる集客力のあるイベントが年間を通じて開催されています。

さらに、このまちなかのオープンスペースは災害時の広域避難場所としても活用できます。

このように、堀之内はさまざまな利活用ができる公園として、また松山城の歴史を感じることができる史跡として、将来に引き継がなければならない本市の宝であり、大きな魅力であります。

そうしたことから、運動施設である坊っちゃんスタジアムや商業施設である大型ショッピングセンターと堀之内は、それぞれ異なった目的と機能、魅力を持つ施設ですので一概に比較できないものと考えております。今後も、堀之内の魅力をさらに多くの方々に感じていただくとともに、中心市街地の活性化や情報発信の拠点として、より効果的な活用方法などを検討していきたいと考えております。

そのほかの質問につきましては、関係理事者からお答えいたしますので、よろしくお願いをいたします。

 ◎梅岡伸一郎副市長 向田議員に、愛媛FCに対する本市の姿勢についてのうち、愛媛FCを抱える今後の姿勢についてお答えいたします。
本市では、スポーツを新たな地域資源として捉え、スポーツを通じた地域の活性化や地域コミュニティの再生を図ることを目指して、スポーツの振興に取り組んでおります。そのような中、愛媛FCは、多くの市民、県民に支えられながら、平成17年にはJリーグ昇格という大きな夢をかなえ、地域に根差した活動を続けられております。
そうした愛媛FCに対しましては、本市では、中予3市3町で実施する松山広域デーや本市の魅力を発信するマッチシティ松山市の日での集客支援を実施するほか、職員を派遣し、運営面等のサポートをするなど、さまざまな支援を行っております。
今後は、これら取り組みをさらに進めるとともに、愛媛県や県内20市町並びに企業・団体等で構成する愛媛県プロスポーツ地域振興協議会の中でも、ファン層の拡大や集客の促進、支援体制の構築などについて協議を重ね、可能な限りの支援を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
 ◎大町一郎総務部長 向田議員に、市長公印無断押印等による不適正な事務処理についてのうち、本市として事件発覚以降とった対策についてお答えいたします。
本市では、松山市公印規則に基づいて公印を管理しています。公印は、文書法制課のほか、利用頻度や執務場所の立地を考慮して、必要な課に配置しております。
公印規則では、公印を配置している課の長を公印管理責任者として所属職員を指揮監督させることにしています。そこで、今回の事案発生後、直ちに全庁に通知して注意喚起し、さらに公印を配置している課に対して、公印の保管方法や押印時のチェック体制を定める公印管理マニュアルの策定を指示いたしました。
また、公印規則の不正使用等の防止や押印手続に関する規定を整備するとともに、本年5月には新年度の各課の担当者への説明会を開催し、周知徹底を行いました。
具体的には、公印管理責任者である課長に公印の不正使用等を防止するために必要な措置を講ずるよう義務づけること、また押印する際には決裁となった文書に押印しようとする文書を添えて公印管理責任者等に提示することなど、チェック体制を強化しております。
今後とも、公印規則の遵守と公印管理マニュアルの適切な運用によって適正に管理をしたいと考えています。
以上でございます。
◎矢野大二総合政策部長兼坂の上の雲まちづくり担当部長 向田議員に、坂の上の雲のまちづくりについて及び愛媛FCに対する本市の姿勢についてのうち、梅岡副市長が答弁した以外の残りの部分についてお答えいたします。
まず、坂の上の雲のまちづくりの5つの課題はどのように改善されたのかについてですが、市の中心部の人口減少など5つの項目につきましては、本市が坂の上の雲のまちづくりに取り組む背景としてお示ししたものです。
しかしながら、全ての項目について数値であらわすことは難しく、また社会経済情勢などさまざまな要因に大きく影響される項目もあります。
その中でも数値であらわすことができる中心市街地の売り上げについては、平成16年の小売年間商品販売額が2,715億円でしたが、景気低迷や近隣自治体の大型ショッピングセンターの開業などにより、推計値ではありますが、22年には2,179億円、25年は2,083億円と減少しています。
一方、中心部の番町、東雲、八坂地区の人口については、平成16年が1万6,000人、20年には1万6,600人、そして26年では1万7,000人と増加傾向にあります。
また、観光客推定数については、平成16年の490万人に対して、20年には504万人、26年には570万人と大幅に増加し、さらに自転車等の路上放置台数については、例えば平日の夕方の大街道周辺では、平成15年の973台が21年には421台に減少するなど、各施策と相まってともに大きな効果が認められます。
次に、市民の皆さんへの利益についてですが、都市再生整備計画を坂の上の雲のまちづくりに関連づけたことで、国からまちづくり交付金28億円が交付され、本来市民の皆さんに担っていただく公園の整備や駅舎の改修などに係る負担が大幅に軽減されました。
また、整備されたロープウエー通りや駅舎の周辺では、平成21年の地価公示が全国で2番目の上昇率となるなど、中心市街地の商業振興やまちのにぎわい創出が図られたほか、主要観光施設周辺の休日の歩行者数も平成15年、19年対比で約250%と増加の7,156人になっており、多大の経済効果が得られたものと考えています。
このように、市民の皆さんとともに取り組んできた坂の上の雲のまちづくりは、生活環境の改善や魅力的な都市景観整備、さらには観光客の増加など、市民生活の質の向上や地域経済の活性化につながっており、その効果は大きいものと考えています。
次に、愛媛FCの今治移転に対する報道への対応についてですが、本市としても、愛媛FCの活動拠点を松山市に置き続けていただきたいという強い思いはありますが、愛媛県と今治市、愛媛FCが移転の可能性を模索している段階で、本市の考え方を表明することは適当でないと判断し、発言を控えたものです。
次に、愛媛FCとFC今治の関係についてですが、御承知のとおり、愛媛FCは愛媛県や本市を初めとした20市町がオール愛媛で支援するJリーグ加盟のプロチームであり、一方、FC今治は今治市を中心とした四国リーグに所属するクラブチームです。それぞれ置かれている状況は違いますが、双方とも地域に根差したチームを目指しており、互いに切磋琢磨しながら高い目標に向かって邁進し、夢をかなえていただきたいと考えています。
最後に、愛媛FCの観客動員数が低迷していることについてですが、観客動員数の現状は認識しており、こうした状況は、スタジアムへのアクセスや地域で愛媛FCを支援する機運の醸成、営業努力などさまざまな要因が考えられます。今後とも、多くの市民に観戦していただけるよう、さらなる集客支援を行います。
以上でございます。
◎唐崎秀樹市民部長 向田議員に、JR松山駅周辺地区再開発についてのうち、わがまちメールのホームページ公開についてお答えします。
松山市では、わがまちメールに寄せられた御意見、御提言に対する市の考え方や取り組みを広く市民の皆様に知っていただくために、市のホームページで御意見と回答を公開しています。
公開については、市長へのわがまちメール事業実施要綱及び取扱要領に基づき行っており、投稿の趣旨が同一または類似している場合は代表的なものを掲載しています。議員から御質問のわがまちメールは、公開が適当でないと判断したものではなく、JR車両基地跡地の活用についての類似投稿を公開していることから、今回は対象としませんでした。
今後も、わがまちメールをホームページで公開することによって全市的な情報の共有化を図るとともに、市民の市政への参加促進に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎矢野一郎保健福祉部長 向田議員に、市長公印無断押印等による不適正な事務処理についてのうち、事件発覚後の対策以外についてお答えします。
まず、昨年、生活衛生課において発覚した不適正な事務処理につきましては、皆様に大変御迷惑をおかけし、まことに申しわけなく深くおわび申し上げます。
不適正な事務処理38件の内容と内訳については、平成25年度及び26年度に受理した墓地使用権継承申請書及び改葬許可申請書について決裁を受けることなく無断で許可証に公印を押して交付したものが11件、墓石等設置完成届等、許可証を発行しない書類で課内決裁を受けるべきものを未処理の状態で放置したものが27件です。
なお、当時申請していた市民の皆様に与えた影響については、調査の結果、許可要件を満たした方にのみ交付されており、交付した許可証には影響はなかったことを確認しています。
次に、事件発覚以前の市長公印の保管状況については、勤務時間中は、課長席横に公印を入れた印鑑箱を置き、業務終了後は鍵のかかる保管庫で保管し、公印を押す際には公印取扱主任である課長または指名された副主任が起案文書等を確認した後、起案者が公印を使用していました。
次に、今回の不適正な事務処理が発覚していなければ、現在も無断で押印が常習化されていたと考えられるかについては、従前の体制では無断押印の可能性は否定できませんが、このたびのことを重く受けとめ、現在、公印は使用時以外常に施錠された保管庫で管理するとともに、押印時には複数の職員によるチェック体制を徹底するなど厳格な取り扱いに改めています。
以上でございます。

◎山崎裕史都市整備部長 向田議員に、堀之内と二之丸史跡庭園についてのうち、整備に費やした事業費を賄えるほどの来場者数が見込めると考えているのか、またその根拠及び堀を復活させることについて並びに市民会館及び堀之内についてお答えします。

まず、整備に費やした事業費を賄えるほどの来場者数が見込めると考えているのかについてですが、堀之内は史跡の保存・保護に配慮した公園として整備を行っています。

そもそも公園は市民に憩いと安らぎを与え、あらゆる世代の人々の交流や健康増進活動を支えるレクリエーションの場であり、また緑化による環境への貢献や災害時の避難場所など、さまざまな役割を持ち、原則、誰もが無料で、そして自由に利用することができる公共の空間で、収益を求める施設ではありません。

したがって、イベントなどに活用されることによる経済波及効果は考えられますが、収益や投資に対する入場者数などは設定していません。

次に、堀を復活させることについてですが、お堀の復元だけをもってまちなか一等地の有効利用策と考えているのではなく、お堀の復元は松山城跡の歴史的、文化的価値を高める重要な要素であると考えています。

しかしながら、復元にはさまざまな課題もあることから、長期的視点に立って慎重に調査、検討し、史跡全体として保全・保護しながらも、中心市街地の活性化に利活用できるような整備をすることが、まちなかにある堀之内の有効利用策であると考えています。

次に、堀之内の利用方法を限定してしまうような方法を選択したのかについてですが、城山公園は、そのほぼ全域が国から史跡指定され、その区域内は文化財保護法の規制を受けています。

堀之内の地下には、江戸時代の貴重な遺構などの文化財が残されていることから、文化財を後世に残すために、文化庁からは史跡の適切な保存と活用のための整備事業を進めるよう指導を受けています。

そこで、たとえ遺跡調査が終わった部分においても、新たな施設の建設、特に江戸時代以外の時代背景を持つ施設の建設は困難なことから、限定された利用方法となっています。このことから、これまで説明している内容については誤った情報ではないと考えています。

次に、さまざまな立場の市民と直接話し合い、さまざまな視点から堀之内の有効な利用方法について意見を出し合うことについてですが、今後の第2期以降の整備に際しましても、詳細な文化財調査を進め、第1期整備と同様に、市民や有識者、関係機関などさまざまな方々から幅広く意見をいただきながら、整備方針等を検討してまいりたいと考えています。

次に、堀之内の維持管理についてですが、平成27年度予算は、全体額約5,800万円で、その内訳は指定管理料約5,600万円、市が行う樹木管理や維持管理工事費約200万円です。

次に、堀之内の再開発についてですが、先ほど答弁したとおり、文化財保護法の規制を受けることから、大規模な施設の新設など大がかりな再開発を実施することは困難ですが、史跡の保存・活用に配慮した整備を進め、完成した施設を利活用することが本市の活性化策の一方策につながるものと考えています。

以上でございます。

◎柳原卓開発・建築担当部長 向田議員に、JR松山駅周辺地区再開発についてのうち、わがまちメールの回答についてお答えします。

本市は、松山駅周辺整備事業において、車両基地跡地利用に関する基本構想を策定するに当たり、市民のために有効活用を図る上で、大きな影響を受ける市民に深く興味を持っていただき、市政に積極的に参画して意見をいただくためにパブリックコメントを実施したものです。

本市のパブリックコメントは、市民意見公募手続制度として松山市市民意見公募手続実施要綱に基づき、本市に住所を有する方や通勤、通学、事業活動等で本市に密接に関係している方々から意見を募集するものです。

御指摘のわがまちメールについては、車両基地跡地利用の基本構想案に対し、市民意見公募手続制度によって意見を求める対象者を市民等に限定している理由を問われたことに対し、真摯にお答えしたものであり、質問から逃げるような回答を行ったとは考えておりません。

なお、松山駅周辺整備事業について、対象者以外の方から意見をお寄せいただいた場合、市民意見公募手続制度の意見としては取り扱うことができませんが、意見に込められた思いを尊重し、事業の参考とさせていただいております。

以上でございます。

◎平野陽一郎産業経済部長 向田議員に、堀之内と二之丸史跡庭園についてのうち、本市全体として、16億円の事業費に見合った経済効果が生まれたのかについてお答えします。
二之丸史跡庭園は、昭和59年に二之丸で発掘された文化的に貴重な遺構を後世に残していくため、文化財保護を目的に市制100周年記念事業の一環として平成4年に整備したものです。
以来、遺構の文化的価値に触れ、また新たな文化交流を育む拠点として定着していくよう、句会やお茶会などさまざまな取り組みを行ってきました。
最近では、結婚式の前撮りの場所として写真館などへも働きかけ、年間500組を超える撮影が行われるようになったほか、平成25年10月に恋人の聖地に認定されたことをきっかけとして、婚活イベントやライトアップの実施、また松山城とのセットプランや修学旅行生向けの体験メニューの開発を行うなど、旅行市場への提案も行ってきました。
こうした努力により、入園者数は開園以来91万人を超え、直近3カ年では、平成24年の約3万4,000人に対し26年は約4万9,700人と、数にして約1万5,700人、率にして46%増加し、収益の向上にもつながっています。
この施設は、その整備目的からも、ほかの文化財の保護を目的とした施設と同様、施設単体での経済効果を推しはかることは困難ですが、今後ともこうした取り組みを継続し、集客力を高めながら、その歴史的価値を将来にわたって継承し、史跡庭園としての総合的な評価を高めていきたいと考えています。
以上でございます。

 

にほんブログ村 地域生活(街) 四国ブログ 松山情報へ