今回は、松山市民の方を通じて、小学校5年生のお子さんの保護者の方からのご相談を承りました。
学年全体の雰囲気が原因で、そのお子さんが学校に行きたくない、と感じていらっしゃったのです。

ご相談を受けたのは年末で、市役所も年末のお休みに入っていたので、職員さんと市民の方が実際にお会いすることが出来たのは新年に入り、お正月休みが終わった後、1月6日のことになりました。

対応してくださったのは松山市教育委員会学校教育課の皆さんでした。

市民の方を通じてお伺いした背景として、一つのクラスをうまく纏めることが出来ない一人の若い先生の事を、他の先生がバカにしていて、そのことが原因で児童の先生に対する信頼が失われ、学年全体が「学園崩壊」の状況に陥っている、といった内容でした。

学校教育課の方にこのお話を伝えたところ、学校教育課側が受けとめている学校の現状の背景として、その若い先生が受け持っているクラスに、授業時間の間、じっとして話を聞き続けることが苦手な児童が数名おり、その児童に対する先生の対応方法に最初の原因があったということがわかりました。

その先生が、指導方法として必要以上に熱心に児童に関わろうとしたため、かえってクラスをまとめることが難しくなってしまったのだそうです。

このため、昨年、2017年11月より新しいサポート教員としてベテランの教員も担当として加わってもらい、2人でクラスの対応に当たる事としました。

問題の、「一つのクラスをうまく纏めることが出来ない一人の若い先生の事を、他の先生がバカに」していたとお子さんが感じられたのは、生徒たちの目の前で、若い先生をベテランの先生が指導している様子が、子供の目には「他の先生が若い先生をバカにしている様に映った」ということなのではないか、というのが学校教育課の方のご意見でした。

学校教育課、および学校側の対応

市民の方のご意見を学校教育課に伝えた時点で、既に学校側、および学校教育課は具体的な行動を起こしていました。

市民の方はさらに要望として、

・学校の現状を教員側の主観的な目ではなく、第三者の目を入れて、客観的な判断をしてほしい。
・児童が実際に学校に行きたくないと感じているのは事実であり、その子供の感情をフォローしてほしい。
・学校の現状が原因で子供が学校に行きたくない、という状況は本末転倒なので、その状況だけはぜひ改善してほしい。

という要望を伝えました。

先日、学校教育課の方より直接連絡があり、市民の方と一緒に役所で学校教育課の方とお会いしました。

1月6日の陳情を受けて、その後の学校教育課側の対応を私たちに報告するためのご連絡でした。

まずは「現状確認」をお願いしていたわけですが、学校教育課の女性の職員が直接学校を視察し、今回の記事で記した内容を改めて学校側で確認し、そのご報告がありました。

さらに学校教育課課長と校長先生との間で直接話がなされ、課長より

「生徒たちの目の前で、若い先生をベテランの先生が指導している様子が、子供の目には『他の先生が若い先生をバカにしている様に映った』のではないか」

とのお話がなされたところ、校長先生はその内容にすぐに共感し、児童の見えるところでの教員同士の指導はやめることを決めました。

一方、12月末には既に児童に対するアンケートが行われており、児童一人一人に対するアプローチが試みられていたこと。

さらに今回の報告を受け、1月には再度子供たちの悩みや気持ちを問いかけるアンケートを実施することを決めたこと。そしてまだ決定事項ではありませんが、児童一人一人に対する面談を実施することが議題に上がっているのだそうです。

そして指導員責任者の方を直接ご紹介いただき、今後さらに子供たちが悩みを抱えている現状があれば、直接連絡してほしい、とするご提案もいただきました。

今後の対応を追加でご報告いただくことが大切だとは思いますが、今回の学校教育課の対応には頭の下がる思いがしました。

大切なのは職員の方を非難する姿勢ではなく、こちら側の要望をどのように伝えるのか。その「伝え方」なのではないかと、今回の一件はそう実感させられる出来事でした。

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