令和 7年 3月定例会 03月04日-04号
企業誘致の現状と今後について
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◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 おはようございます。自民党議員団の向田将央です。一般質問をさせていただきますので、理事者の皆様におかれましては、明快な御答弁をよろしくお願いします。
ちょうど1年前、昨年3月議会におきまして、私から松山駅周辺整備事業について質問をさせていただきました。その約半年後の昨年9月末に、JR松山駅に新たなる駅舎が誕生し、17の店舗が入り、松山は四国内の県庁所在地と比較して後れているとの評価が多かったJRの駅舎として一応の格好はついたように思います。ですが、それでも誕生したのは駅舎だけで、線路立体交差による高架事業のために買収が進んだ他のエリアについてはいまだに更地のまま。何をするのか市民に対して公表すらされていない状況が継続しているように思います。一方で、近隣の自治体を見てみますと、エミフルMASAKIが誕生した松前町。イオンモールや大学、高校、サッカースタジアムと非常に意欲的にまちの発展に取り組む今治市。伊予市では、図書館や文化ホールなどが一体となったIYO夢みらい館が建設されました。そんな中で、このところ話題となっているのが、昨年3月に高速道路のスマートインターが開設された東温市です。東温市には、大型のショッピングセンターであるコストコの進出が検討されています。近隣自治体のこのような状況を受け、市民の皆様からは、松山市はやることがあまりにも後手に回り過ぎているのではないかとのお叱りの言葉をいただくことが多くあります。今回の議会質問においてテーマとして取り上げたいのは、最後に御紹介した東温市の事例でもう一つ、企業誘致に関連した内容です。昨年5月、東温市では、コイル巻き線機のグローバル企業であるNITTOKUの誘致を決定し、両者は立地協定を結びました。NITTOKUの生産するコイルは、自動車や宇宙、航空など様々な分野の製品に使用されているとのことで、今回東温市に誘致される工場では、自動車向けEV、HEV用バッテリーを製造する装置などの生産が予定されているのだそうです。企業が誘致されれば、当然その自治体に新たなる雇用も生まれますし、他の自治体からの人口の移動、飲食店をはじめとした周辺企業への経済効果も期待されます。私としては、単純に企業を誘致するということではなく、東温市の事例のように、松山市に新たなる産業の起点を生み出すことが、松山市の経済にとって松山市民の生活を豊かにするために必要だと思っています。お伺いします。周辺の東温市など、まちの発展のため積極的に企業誘致に取り組む他の自治体の状況をどのように認識されているのか、お聞かせください。
◎答弁 西村秀典産業経済部長
◎西村秀典産業経済部長 企業誘致は、雇用の創出や設備投資に伴う税収の確保など地域経済の発展に重要なため、周辺の自治体でもそれぞれの状況に応じて積極的に誘致活動に取り組まれていると認識しています。そうした中、本市では、多くの雇用を生む事務センターをはじめ、将来の成長が期待できるIT企業や経済波及効果の高い製造業などを中心に誘致に取り組んでいます。今後も企業に寄り添った丁寧な支援を行い、市内企業の新たな設備投資を促すとともに、県外企業の誘致を進めたいと考えています。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
昨年10月、石破内閣が誕生し、本年1月末には改めて施政方針演説も行われました。政策のキャッチフレーズの中でも、特に核としておっしゃっているのが、令和の日本列島改造と地方創生2.0という2つの言葉です。令和の日本列島改造には、具体的に次の5つで構成されています。まず、1つ目が、若者や女性にも選ばれる地方。次に2つ目が、産官学の地方移転と創生。3つ目が、地方イノベーション創生構想。4つ目、新時代のインフラ整備。最後5つ目が、都道府県の境を越えた広域地方連携です。また、もう一つの地方創生2.0への活用に大きな期待が寄せられているのが、岸田内閣のときに創設されたデジタル田園都市国家構想交付金という制度です。この交付金は、昨年名称を新しい地方経済生活環境創生交付金と変え、主に次の3つの交付金を合わせたものになっています。1つ目は、地方の自治体が自由度の高い事業を行うことを後押しするための世間でよく言われる第2世代交付金。2つ目は、デジタル事業を活用した地域の課題解決や魅力向上を目的とする交付金。3つ目が、地域産業の構造転換、インフラ整備推進型の交付金となっています。石破首相は、安倍内閣当時、地方創生担当大臣としての役割を担っており、このとき大きな結果を残すことができなかったことが、今回新たに地方創生2.0としてのビジョンを掲げることとなった一つの由来のようです。総裁選挙をしたときの石破首相の発言によると、当時の地方創生政策では、資金が足りなかった。倍は必要だったと話されています。これら国の方針からも分かるように、次年度の予算でも恐らく相当規模の地方創生のための予算が確保されるのではないかと想像されます。安倍内閣における雇用状況の大幅な改善。岸田内閣における名目賃金の大幅な上昇。そして石破内閣は、その果実を地方にも広く循環させることを大きな役割として担っています。お伺いします。石破首相の発言どおり、要求している国の第2世代交付金予算が国会の承認を得られれば、地方にも財源獲得の大きなチャンスがめぐってくると考えます。この交付金に関し、企業誘致など産業振興に関連した本市のこれまでの活用例をお答えください。また、今後、どのような目的で活用することが考えられるでしょうか、現時点の松山市のお考えをお聞かせください。
◎答弁 野志克仁市長
◎野志克仁市長 地方創生のための交付金のうち、企業誘致については、企業への補助金や用地取得の経費が交付金の対象とならないため、活用例はないものの、そのほか産業振興で、花園町のマルシェやロープウエー商店街の歩行者天国など集客イベントをはじめ、人手不足に悩む市内中小企業と都市部の複業人材とのマッチングを支援したり、創業や経営に関し相談窓口を設けるなどに交付金を活用しています。花園町通りでマルシェなど毎週イベントが開催されるほか、ロープウエー商店街でもインバウンドを含め、多くの観光客が訪れるなど、にぎわいづくりにつながっています。これからも社会経済情勢を考慮しながら、民間企業とも連携し、デジタルマーケティングを使って販路を拡大したり、スタートアップへ支援するなど、効果的な施策に積極的に生かしていきます。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
松山市の人口を増やし、かつ経済を安定して発展させるために有効なのは、観光よりも産業だと私は思っています。先ほど地方創生2.0構想についてお話をさせていただきましたが、同じような地方政策の構想は、自民党の数名の国会議員からも提案されています。岸田内閣において官房副長官を務めた木原誠二氏からは、企業城下町構想。同内閣において経済安全保障の分野を確立した小林鷹之氏からは、シン・ニッポン創造計画。このほか、昨年の総裁選に立候補した高市早苗氏、茂木敏充氏からも同様の構想が語られています。国会議員の皆さんの発想として共通して見られるのは、官民連携という考え方です。これまでの官民連携というと、行政が主体となって都市計画などを行い、入札によって企業選定を行うようなやり方が中心であったように思います。ですが、今、多くの自民党国会議員より掲げられている官民連携とは、行政ではなく、民が主体となって行う官民連携です。その代表的な成功事例が、熊本が誘致した時価総額63兆円の台湾の企業TSMCです。政府と地域が一体となって、熊本に半導体のグローバル企業であるTSMCを誘致し、さらにはソニーやDENSO、トヨタとも業務提携を行い、共同出資をしてJASMという合弁会社も熊本に設立しました。結果、半導体工場だけでなく、この地域の賃金は大幅に引き上げられることとなり、県外、国外からも数多くの人がこの地域に流入し、また、この地域で半導体産業を学びたいと大学や高校などからも大変人気だと聞き及んでいます。同じ愛媛県内の話ですが、宇和島では、マダイの養殖が盛んに行われています。そして、その養殖技術そのものが、海外に輸出されるまでに発展しているのだそうです。安定して松山の経済を発展させるためには、観光よりも産業を発展させるほうが有効だと私が考える理由には、産業には結果として得られる成果物が生まれるからです。その成果物を生み出すための技術が、他の地域にまねのできないような技術であれば、熊本がそうであるように、その技術を学ぶため、他の地域より人がやってきます。生産に人手が必要なのであれば、当然、他の地域より人が流入します。労働者が必要となれば、行政が働きかけずとも、当然賃金が上昇しますし、定住者が増えれば、二次的、副次的に起きる消費も増えます。まずはアパートなどをはじめとする建物から人が居住するために必要な施設も多く造られることになるでしょう。地方創生のため、政府より地方に分配される予算が増やされるのであれば、単に観光資源を発展させるためにこれを利用するだけでなく、地域に人を流入させ、定住するための魅力的なまちづくりを行うためにその予算を利用したほうが生産的ではないでしょうか。令和4年3月議会におきまして、官と民が連携して公共事業、サービスについて取り組む事業のPPP/PFIについて質問をさせていただいたことがあります。自民党議員団の同志と共に視察に訪れた沖縄市では、地域に根差したスポーツ活動を通じて、健康で豊かな心と体を育てるスポーツコンベンションシティを宣言し、スポーツ大会や合宿などの受入れに積極的に取り組んできた結果、1万人の収容人数を誇る施設沖縄アリーナを開業しました。その後、バスケットの世界大会が開催されるなど、スポーツを通した交流により、今後さらなるにぎわいの創出が期待されています。宿泊施設レフ沖縄アリーナbyベッセルホテルズやコンビニエンスストアや駐車場、緑地公園など民間企業6社が沖縄アリーナを中心に様々なPark-PFI事業を展開されています。その際、私より沖縄市に対し、なぜこのような事業を実現することができたのか質問をさせていただきました。そのときいただいたお答えは、市の描く構想に応えたい、やりたいと手を挙げてくれた企業がいたからということでした。まさに地域の発展を目的に、官と民が一体になっておられました。今話題に上げている官民連携とは、まさに事業を行いたいと考える企業がいるからこそ実現できる構想です。ですが、企業に手を上げていただくためには、まずは自治体が、松山市がこのまちで一体何をやりたいのか、その構想を対外的に示すことが必要ではないでしょうか。現在、松山市は、『坂の上の雲』を生かして、道後温泉や松山城などの観光政策を中心に取り組まれており、結果、観光客推定数も伸びており、すばらしいと思います。ですが、観光というのは、もともと松山以外の地域に住む人たちを一時的に松山市に呼び込み、言い換えれば、他の自治体で生まれたお金を松山市に落としてもらう、そんな発想が根底にあります。観光で松山に来られた人たちが、そのまま松山市に住みつかれることはありません。もちろん、観光で松山を訪れた人が、後に松山に移住することは考えられますが、効果としては限定的です。自治体に人を呼び込み、定住させるために、積極的に取り組んでいる東温市や今治市のような取組を松山市が行うことはできないのでしょうか。県外や国外の企業を松山市に誘致し、拠点となる支社や工場を展開してもらうのも一つの方法です。また、松山市に既にある複数の企業と連携し、他の自治体に負けない企業グループを構築する方法もあると思います。さらには、これまで松山市で経済の中心を担っていたような企業と連携し、再び松山市の経済を牽引できるほどの事業を共につくり上げていくという方法も考えられます。ほかにも、現在はまだ存在していない、または存在したとしても生まれたての規模の小さなスタートアップ型企業を支援し、松山市を牽引できる規模にまで育成する方法も考えられるでしょう。これら全てを同時に行うことだって考えられます。ですが、そのためには、まず松山市として何がやりたいのか、何ができるのか、何が得意なのか、洗い出しを行い、市民が一体となって考える取組こそ必要なのではないでしょうか。お伺いします。松山市の取組は、他の自治体と比較して後手に回り過ぎなのではないかという市民の御意見について、どのようにお考えでしょうか、お聞かせください。また、松山市として、定住者を増やし、経済を発展させるためには、製造業のような大規模な投資や雇用が見込まれる企業の誘致が必要と考えますが、現在の取組状況と今後どのように対応されるのか、お聞かせください。
◎答弁 西村秀典産業経済部長
◎西村秀典産業経済部長 まず、市民の意見に対する本市の考えについてですが、他の自治体でもそれぞれの状況に応じて誘致活動に取り組んでいると認識しており、本市でも企業ニーズに応じて新しいオフィスを確保し、300人規模の雇用を生む事務センターを誘致するなど、平成13年に企業立地促進条例を制定して以降、延べ120を超える企業を誘致し、1,230億円規模の投資と6,700人規模の新規雇用につながっていると考えています。次に、企業誘致の取組状況についてですが、市内の4大学による情報系学部の開設等に伴い、多くのIT人材が育成されることや立地環境など本市の優位性を生かした誘致活動を行っています。令和6年度は、県市が連携しIT企業など4社を誘致したほか、大手農業機械メーカーが市内で大規模な事業拡大を行うことが発表されました。さらに、地区計画制度を活用し、建設機械を販売する企業が市内で拡大移転し、5月に操業を開始する予定です。また、今後の対応については、市内の産業用地の候補地の多くは、都市計画法や農地法などで土地の利用が制限されているため、地域未来投資促進法の特例措置の活用を視野に、国や県と協議を行っているほか、一部の候補地では、土地改良区などへのヒアリングを進めており、引き続き産業用地の確保にスピード感を持って取り組み、大規模な投資や雇用につながる企業を誘致したいと考えています。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。愛媛の中でも、県都松山市が全自治体を先導し、引っ張っていくような旗振り役を市長には担っていただけるよう心から願っております。以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。

