令和 6年12月定例会 12月06日-03号
「年収の壁」や「耐震改修補助」などから考える、本市の広報戦略の在り方について
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◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 自民党議員団の向田将央です。一般質問をさせていただきますので、理事者の皆様におかれましては、明快な御答弁をよろしくお願いします。本日は、年収の壁や耐震改修の補助金などから考える松山市の広報戦略の在り方について取り上げたいと思います。
まず、年収の壁について、私自身も前回の衆議院選後、年収の壁問題が話題になり始めてから改めて詳しく勉強させていただいた部分もあるのですが、多くの方から聞かれるのは、働き控えをなくすために103万円の壁を引き上げることについて、私が賛成なのか反対なのかという御質問です。103万円の壁が問題となる対象は主に18歳以上の学生さんで、年収が103万円を超えると親の扶養から外れてしまい、親がこれまで受けていた63万円の特定扶養控除がなくなってしまうことが、学生さんが働き控えを行う主な理由となっています。学生さん本人も、103万円の壁を超えると所得税の課税対象となるのですが、この所得税については、仮に103万円の壁を超えたとしても、例えば104万円になった場合、103万円を超えた1万円に対して年間で5%の課税がされるだけですから、働き控えをするほどの大きな金額ではありません。さらに言えば、勤労学生控除の申請を行うことで27万円の控除を受けることができますから、総額で年収130万円までは所得税の支払いが免除されます。ですので、103万円の壁を考える場合、本来は学生さんが扶養から外れることで親の特定扶養控除がなくなることをどうするか問題とすべきところを、なぜか103万円の壁を引き上げるにはどうすればよいかが問題に取り上げられているように思います。また、配偶者についても学生さん同様、103万円の壁が存在していたのですが、2018年に配偶者についてはこの壁が150万円まで引き上げられ、103万円の壁そのものはなくなっています。このため、特にパート労働者については、103万円の壁よりも、むしろ106万円の壁のほうが問題になるのですが、案外このことを御存じない方がいらっしゃいます。従業員51名以上の企業では、一定の条件下で106万円の壁を超えると労働者本人が社会保険に加入する必要が発生し、社会保険加入が原因で本人の手取りが壁を超える前より少なくなってしまいます。これを防ぐため、厚生労働省では、昨年10月より、年収の壁・支援強化パッケージという制度を用意しました。年収の壁・支援強化パッケージとは、仮に労働者の年収が106万円を超えたことで社会保険に加入する必要が出た場合、社会保険に加入したことで減った手取り分を政府が支給することで、仮に106万円の壁を超えてもこれまでどおりの手取り額を受け取ることができる仕組みです。従業員51名を下回る企業については130万円の壁も存在するのですが、これについても、2年間に限り事業主が指定された証明書を発行することで配偶者の扶養から外さなくてもいい仕組みが用意されています。お伺いします。国、政府のこととはいえ、松山市民の生活に直結している106万円、130万円の壁の助け船となっている年収の壁・支援強化パッケージ、松山市ではこの年収の壁・支援強化パッケージの周知はされているのかお聞かせください。また、本日までの松山市の申請状況、市民の利用状況も併せてお聞かせいただければと思います。
◎答弁 西村秀典産業経済部長
◎西村秀典産業経済部長 厚生労働省が実施している年収の壁・支援強化パッケージは、年収の壁を意識せずに働く環境づくりを支援するものであり、パート、アルバイトで働く方や雇用する事業者双方にメリットのある制度だと認識しています。そこで、本市では、国が作成し配布するチラシを、市民の目に留まりやすい市役所1階のパンフレットコーナーや、事業者が多く訪れる産業経済部の窓口に設置し、周知を行っています。
次に、現在の申請状況等についてですが、本制度の受付相談窓口である愛媛労働局が地域別のデータを公表していないため、把握できません。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 もう一つ話題となっているのが、全ての納税義務者が無条件で適用できる基礎控除の引上げです。対象となるのは学生さん、パートさんだけでなく、労働者全体に影響が及ぶことになり、さらには給与所得者以外も対象になります。労働者全体の所得税控除額が引き上げられるということは、同時に住民税、松山市で言えば市民税の非課税が増えることになり、松山市の財政にも少なからず影響が出るということです。先般の衆議院選にて多くの有権者の御要望により改正への取組につながった基礎控除の引上げ、市民にとってよりよい制度を実現するためには、どこかで懸念事項やデメリットも伴います。年収の壁・支援強化パッケージや基礎控除の引上げにしても、市民にとってプラスなのかマイナスなのかだけでなく、松山市にとってもどうなのか。松山市行政に携わる皆さん、そして私たち議員も無責任な発信をしないよう心がけなければなりません。時にその情報が国や県のことであっても積極的に発信していくことも必要です。お伺いします。市民の皆様とお話をしていると、このような年収の壁を超えたときの支援制度があること自体を御存じない方も多くいらっしゃいます。周知を行うのは政府の役割だと言ってしまえばそこまでなのですが、松山市民の生活に直結する制度なのはもちろんのこと、松山市の企業、事業所が師走を駆け抜けるための非常に役立つ制度だと思います。このような情報を、政府だけでなく、松山市からも発信する必要があると思うのですが、松山市はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。
◎答弁 西村秀典産業経済部長
◎西村秀典産業経済部長 今後、市のホームページや広報紙を通じて制度を紹介するほか、企業向け支援メニューの利用者や経営相談に訪れた事業者などに対し制度を案内するなど、事業を所管する愛媛労働局と連携して周知に努めたいと考えています。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 次の質問に移ります。次は、耐震改修工事の補助金について御相談を受けたことによる同じく広報戦略の在り方についての質問をさせていただきます。この件で私に御相談をいただいた方ですが、この方、実際改修工事をしたいと考えていたわけではなく、X、旧ツイッターを利用していた際、たまたま広告が目に飛び込んできました。そこには耐震改修工事費など標準的な場合の補助金合計100万円以上と書かれており、工事業者さんの格好をしたみきゃんが吹き出しで、電話でもオンラインでも連絡してね、相談待っとるよと配信されていたのだそうです。発信者は愛媛県建築住宅課となっていました。この方は偶然目にした広告から耐震改修工事を考えるようになり、私に対して、松山市ではこういう補助はしていないのか尋ねられました。私は、都市整備委員会に所属しており、決算分科会で大塚議員からこの耐震改修補助に触れていた記憶もありましたので、誤解されているその方には私から正しい情報をお伝えしました。お伺いします、松山市でもこのような耐震補強に関連した補助金制度はあると思うのですが、どのような制度となっているのか、具体的に教えてください。
◎答弁 鷲谷浩三開発建築部長
◎鷲谷浩三開発建築部長 本市では、県と同様に、昭和56年5月31日以前に着工された木造住宅を対象に、耐震診断や耐震改修に必要な費用の一部を補助しています。耐震診断には制度が2つあり、その一つは、耐震診断事務所に所有者が直接依頼する制度で、診断費用のうち4万円を上限に補助します。2つ目は、本市が診断技術者を派遣する制度で、所有者は3,000円の費用負担で耐震診断を受けることができます。次に、耐震改修の補助は、100万円を上限に工事費用の80%を補助しています。さらに、耐震改修を進めるため、令和5年度から瓦ぶき屋根も同時に改修する場合には55万2,000円を上限に追加で補助し、今年度からは設計費用も20万円を上限に補助していますので、補助額は最大で175万2,000円となり、耐震改修の費用負担の軽減につなげています。今後も、県と県内20市町及び建設関係団体等で構成する連絡協議会を活用し、周知方法なども含め効果的な補助事業を推し進めます。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
このところ地震だけでなく、土砂災害を筆頭に松山市でも自然災害が多く発生するようになりました。このような取組はとても大切なものですし、松山市民の皆様へ情報が届く方法を多く用意することが大切かと思います。私に質問をしてくれた方は、耐震補強補助金の情報を偶然手にすることができたのですが、愛媛県独自の施策と勘違いをされていました。お伺いします。県のように松山市でもホームページや公式LINEではなく、市民が知っておくと助かる様々な制度や補助金を、皆様が求めていなくても、偶然目に触れられるような広告の配信を行っていくべきと考えていますが、今後の展望をお聞かせください。
◎答弁 宇野哲朗総合政策部長
◎宇野哲朗総合政策部長 SNSなどを活用したウェブ広告は、ターゲットや目的に応じて発信したり、クリック数を数値化できるなどのメリットがある一方で、様々な広告がある中から関心を持ってもらうためには、専門知識や追加費用が必要になりますので、費用対効果などを考慮することが重要です。現在、本市の広報は、広報紙やホームページ、公式LINEのほか、観光や移住など、本市の魅力を市内外に発信する際にはウェブ広告なども活用しています。広報戦略では、これらの媒体をバランスよく活用することが重要ですので、今後は毎年実施する広報担当者向け研修会で、ウェブ広告の知識を高めるなどして最適な情報発信に努めたいと考えています。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
松山市役所本館には、現在懸垂幕を掲げていますが、この懸垂幕が何本あり、それぞれどのような内容なのか、答えられる職員さんが何人いらっしゃるでしょうか。SDGs未来都市・自治体SDGsモデル事業に選定された幕や防災まちづくり大賞消防庁長官賞受賞、ほかにも松山市の重点施策など最大7本の懸垂幕を掲げ、広報をしています。その製作費用は、設置費なども含めた1本当たり約16万円で、掛ける7本になります。また、今年度は新たに5本を制作しているということで、その額は約80万円とのことでした。さらには、もしも台風の予報などで撤去したり、再度設置したりした場合は、費用は別とのことでした。私は、懸垂幕も広報まつやまもテレビもラジオも、広報における重要なコンテンツだと思います。ですが、広告を見ていただきたいターゲットに合わせて広報戦略を変えていかなければ、今の情報化社会を生き抜くことはできないと思います。野志市長が4期目を担われてからこの2年間にしてきたことを伝えることも立派な広報活動だと思います。こども医療費無償化を18歳まで拡大、新婚や出産された世帯に経済的な支援を開始、経済的に塾に通えない児童・生徒を高校生まで切れ目なく支援、道後温泉本館工事を前倒しし、予定より半年早く営業再開、新しく起業する方に経費を補助したりなど、ほかにもたくさんの施策を実行に移してきたと思います。冒頭に質問しました基礎控除の市民税や耐震補助の補助金だけでなく、各部署が抱える広報には、このように市民が知っておくと役立つ内容がたくさんありますが、届けているつもりの情報が、実際届いていないことが多いように感じています。今回の質問をつくるに当たり、松山市の各部署が発信している広報には、今どのようなものがあるのかを一覧で確認しようとしましたが、できませんでした。なぜなら、広報は各部署内で起案し、制作し、発信し、完結しているからです。お伺いします。松山市では、抱える広報事業について、各部署が単独で情報を発信している理由をお聞かせください。また、松山市では、以前広報課という部署があり、松山市の広告を把握されていたと聞き及んでいます。シティプロモーション推進課がその役割を担っているのかもしれませんが、当時広報課という部署はどのような業務をされていたのか教えてください。当時の広報課との違いも併せて教えてください。
◎答弁 宇野哲朗総合政策部長
◎宇野哲朗総合政策部長 まず、各部署で情報を発信する理由ですが、本市の業務は、健康、福祉や産業、交流など多岐にわたりますので、各課の取組を市民の皆さんに短時間で正しく伝えるためには、業務を熟知している担当課が担う必要があると考えています。次に、広報課の業務内容とシティプロモーション推進課との違いですが、広報課では広報紙やテレビ、ラジオ広報などに関する業務のほか、各課の広告料の管理も担っていました。こうした中、組織改正を機に、広告料は各課で管理し、シティプロモーション推進課では、それ以外の広報課の業務に加えて、本市の都市ブランド価値を向上させるため、市内外へのプロモーション活動などを担当しています。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
時に広報紙が役立つケースもあるでしょうし、ポスターなどの媒体が役に立つ場合もあると思います。また、Xやインスタ、フェイスブックといったSNSが役に立つ場合もあると思います。ですが、それぞれの部署の業務の負担を考えますと、このような広報に特化した業務に取り組む時間を確保することは容易ではないでしょうし、やらなければならない業務はそれ以上にたくさんあると思います。得意、不得意もあります。不得意な方が何時間もかけてされることを得意な方は数分でさらによいものを完成されたりします。また、広報の仕事は極めて専門性も高く、デザイン力はもちろん、文章力、企画力、分析力、危機管理力など、効率的にPRにこだわるほど簡単にできる仕事ではありません。であれば、松山市としてそれぞれの部署がばらばらで広報の業務に取り組むのではなく、部署の垣根を横断して横串で広報活動に取り組む組織があってもよいのではないでしょうか。例えば愛媛県のみきゃん、今治市のバリィさんのようにマスコットキャラクターをSNSの広報手段として確立している自治体もあります。松山市では、公式観光ウェブサイト四国松山瀬戸内松山に観光の情報を発信していたり、松山市のアカウントでユーチューブなどで観光や市長会見などの情報を発信されていたり、いいとは思います。ですが、このような観光に特化した情報発信だけでなく、もっと市民の生活に直接役に立つ有効な情報を様々なSNS、ネットメディア等を使って発信することを目的とした組織があってもよいのではないでしょうか。例えばですが、架空の広報課の〇〇さんという見た目は真面目だけど、交流してみると親しみやすいというような架空の存在を生み出して広報活動に取り組むのも面白いかと思います。本年度、松山市もテレビ、ラジオ、フリーペーパーなどに予算が組まれており、それはそれでよい部分もあると思います。ですが、松山市役所からの一方的な情報発信と、市役所だけでなく、市民のSNSも巻き込んだ双方向での情報発信ができれば、どちらが短期間で広く人々に知れ渡らせることができるでしょうか。先日の兵庫県知事選挙の結果が出たとき、私は驚きとともに、SNS発信による影響力の大きさを感じ、時代は既に変わっていて、私自身も既に時代に取り残されていることを認識しました。お伺いします。現在、松山市として市民の皆様に伝えなければならない、または伝えることでより生活が便利になるような施策を発信する能力が十分ではないように思います。松山市の各部署からの情報を戦略的に市民の皆様に届けるため、各部署の広報活動を横断的にサポートし、広報内容を垣根なく把握ができる組織が今後は必要かと思うのですが、松山市のお考えをお聞かせください。
◎答弁 野志克仁市長
◎野志克仁市長 松山市は、シティプロモーション推進課で日頃から各部署の相談に応じ、改善を提案するなど、広報業務をサポートするほか、毎年広報広聴主任者研修や外部講師のセミナーを開催したり、SNSなどの運用ガイドラインを策定し、周知したりしています。また、去年から広報業務の専門人材として、シティプロモーションアドバイザーを置き、広報力を強化し、今年はSNSを専門にする複業人材が実践型の研修をしています。これからもシティプロモーション推進課が主体で様々な研修などを行い、他都市の成功事例を紹介したり、専門人材から助言もいただきながら、各部署の広報活動をサポートしていきます。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。

