令和 5年 6月定例会 06月15日-02号
行政手続のDXについて
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◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 自民党議員団の向田将央でございます。一般質問をさせていただきますので、理事者の皆様におかれましては、明快な御答弁をよろしくお願いします。
これまで3年以上にわたり人々の生活を一変させた新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけが、去る5月8日に2類から5類へと移行しました。このことで新型コロナウイルス感染症対策について、国が一律の対応を求めることがなくなり、現在、個人や各事業者の自主的な判断により基本的な対策が行われています。油断は禁物でありつつも、本格的なアフターコロナ・ウイズコロナを見据え、少しでも早くコロナ禍前の日常を取戻し、松山が元気になることを願わずにはいられません。少しコロナ禍を振り返ってみますと、感染拡大を防ぐために、マスクの着用や消毒の徹底、また行動が制限されるなど、誰もがこれまでに経験したことがない不便や不自由を強いられることになりました。そんな中、新型コロナウイルス感染症への対応において、国、県、市のデジタル化の遅れや人材不足、不十分なシステム連携に伴う行政の非効率、煩雑な手続や給付の遅れ、住民サービスの低下など、デジタル分野での様々な課題が浮き彫りになりました。そこで国は、デジタル化を強力に進めるため、令和2年にデジタル社会の実現に向けた改革の基本方針を閣議決定し、目指すべきデジタル社会のビジョンを示しました。まずは、地方の自治体に行政サービスでデジタル技術を活用して、利用者目線に立って新たな価値を創出するデジタルトランスフォーメーション──DXを実現し、全体にデジタル化を広く行き渡らせ、誰一人取り残さない社会にしていくなど、今後の方向性を力強く打ち出しています。同時に、デジタル社会の構築に向けた取組を、全国の自治体で着実に進めるための自治体DX推進計画も策定しています。令和3年には、デジタル庁を設置し、さらに12月には、デジタル化の基本戦略をまとめたデジタル社会の実現に向けた重点計画を策定しました。また、デジタル化の恩恵を国民や事業者が享受できる、全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会の実現を目指すこととしています。このように国の動きが加速をしていく中、松山市でも手続がインターネットから可能になったり、オンライン相談やオンライン講座が開始されたりするなど、市民生活に直結したDXを着実に進められていると理解しています。その一方で、この3月・4月の引っ越しシーズンには、例年と変わらず本館1階のフロアが大混雑しているところを目の当たりにすると、さらにDXを推進し、改善に向けて取り組む余地があると思います。お伺いします。先般の報道によれば、松山市では行政手続のオンライン化が順調に進んでいるとのことで、市民の方が市役所に来ることなく行政手続を済ますことができるのは、市民の利便性を向上させるよい取組だと思います。そこで、行政手続のオンライン化の進捗状況についてお答えください。また、今後どのように進めていくのか、お聞かせください。
◎答弁 吉田健二総合政策部長
◎吉田健二総合政策部長 本市では、全体で約4,000の行政手続があり、このうち法令等で書面での手続が規定されているものや、国や県との調整が必要なものなどを除く889手続を令和7年度末までに順次オンライン化していく計画です。そうした中、オンライン化の手引を作成したり、職員研修を実施したりしたほか、副部長級で構成するDX推進専門部会を設置し、取組体制を強化したことで、令和4年度までに目標としていた289を大きく上回る466手続のオンライン化を完了しました。また、今年10月には、愛媛県と県内市町が新たに共同の電子申請システムの運用を開始する予定であり、このシステムを利用することで、法人の認証がオンラインで可能になるほか、現在クレジットカードに限られているオンラインでの支払いが、PayPayでもできるようになります。さらには、国によるアナログ規制の見直しなども今後進んでいくことから、こうした変化にも迅速に対応してオンライン化を進め、事業者や市民の利便性の向上に取り組んでいきます。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
次に、キャッシュレス決済についてお伺いします。松山市では、先ほど触れたオンラインによる手続のほか、市民課の窓口、観光施設など、一部ではキャッシュレス決済を導入していますが、まだできない窓口が残っており、キャッシュレス化を望む市民の声を耳にすることがあります。キャッシュレス化をすることで、松山市が事業者に支払う手数料負担を伴うなど、コスト面での課題があることは理解していますが、コロナ禍を通してこれほど市民生活に浸透してきた現状を踏まえると、松山市役所でも遅かれ早かれキャッシュレス化は避けて通れないと思います。お伺いします。松山市では、現在何か所の窓口でキャッシュレス決済が利用でき、どのような支払いに対応しているのか、お答えください。また、キャッシュレス決済の拡充予定はどのようになっているのか、お聞かせください。
◎答弁 吉田健二総合政策部長
◎吉田健二総合政策部長 本市では、市民課と2か所の市民サービスセンター、急患医療センターに加え、道後温泉や子規記念博物館などの観光・文化施設8か所、合計12か所の窓口でキャッシュレス決済を導入しており、それぞれ各種証明書の手数料や医療費、入場料などを支払うことができます。また、キャッシュレス決済の拡充に向けては、現在どの窓口でどの種類のキャッシュレスに対応するのか、また、必要な経費はどのくらいになるのかなど検討を進めており、今後システムの改修やレジスターの更新の時期等に合わせるなど、経費の削減や優先度を考慮しながら、条件が整った窓口から順次導入していきたいと考えております。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
次に、窓口での申請書作成手続の簡素化、いわゆる書かない窓口についてお伺いします。国は、窓口の改革を進める自治体が住民情報や税金、福祉などを標準システムで運用できる政府共通のインターネットクラウド上に、窓口業務を支援するための自治体窓口DXSaaSの構築を進めています。自治体窓口DXSaaSは、市民が申請書を手書きすることなく手続できる申請書作成支援やマイナンバーカードを使っての氏名や住所などの転記、庁内業務システムとの連携などにより、市民と職員の負担軽減を目指すものです。お伺いします。書かない窓口の松山市の現状と今後のお考えをお聞かせください。
◎答弁 吉田健二総合政策部長
◎吉田健二総合政策部長 今年2月から、国の引越しワンストップサービスが開始されたことにより、転出届はオンラインで完了し、転入先の自治体に行くだけで手続できるようになりました。これに伴い本市では、転入等の届出の際には、国民健康保険や国民年金の申請書を市民課窓口で一括して印刷し、来庁者は内容の確認、署名だけで手続が完了するようにしています。さらに、市民課内で設けている福祉届出コーナーでも、職員が氏名などを聞き取り、複数枚ある申請書に印刷してお渡しするようにしており、こうした本市独自の取組を行うことで、窓口での負担軽減に努めています。このような中、7月には、さらなる手続の簡素化に向け職員勉強会を実施し、事務の流れなどを検証する予定であり、国が進める自治体窓口DXSaaSの動向も注視ながら、書かない窓口の拡充を検討していきたいと考えております。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
地域のDXについて
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(地域DXに関連した質問は、10:45頃から始まります)
続きまして、地域のDXについてお尋ねします。公民館や地域の活動に若者が入ってこない、高齢化が進み後継者がいない、コロナ禍で十分に活動できなかった期間が長く、子ども会に加入する家庭が減り続けているなど、現在松山市の地域コミュニティには様々な課題が存在しています。そんな中、潮見地区では、まちづくり協議会の会員の皆さんがLINEやZoomの使い方を勉強し、自宅やまちづくり協議会の事務所などからオンライン会議を開催することができたという記事を、まちづくり協議会だよりで拝見しました。これまでにも各地域で住民の皆さんがそれぞれの実情に合わせて地域活動に取り組んでこられたと思いますが、DXを取り入れることで、地域のコミュニティにも若者が参加しやすくなったり、情報がより円滑に共有されたりするなど、新たな効果が期待できるのではないでしょうか。そこでまずは、公民館や小・中学校に整備されたWi-Fiの利用についてお伺いします。5月16日の新聞報道によると、今般、松山市内の公民館や小・中学校の体育館のほとんどにWi-Fi環境が整備され、災害時には、避難者の方々がインターネットを使って連絡をしたり、情報を集めたりしやすくなるとのことでした。公民館や体育館では、地域のスポーツや文化など、様々な活動が行われており、コミュニティ活動の拠点となっています。災害時以外にも地域の住民がWi-Fiを使うことができれば、活動がより活発になると思います。お伺いします。今回、公民館や小・中学校に整備されたWi-Fiは、災害時以外にも利用できるのか、お答えください。
◎答弁 野志克仁市長
◎野志克仁市長 私は、安全・安心で持続可能なまちづくりを目指すため、「公民館本館、小学校、中学校の運動場や体育館などにWi-Fi環境を整えます。」また、「まちづくり協議会や公民館の活動のデジタル化を支援し、持続可能な地域コミュニティを支えます。」と今期の公約に掲げ、地域コミュニティの活動拠点でもある公民館や小学校、中学校の体育館など、130か所にWi-Fi環境を整えました。このWi-Fiは、常時接続ができ、パスワードを入力するだけで誰でも無料で使え、公民館で開催されるスマートフォン教室や音楽などカルチャー教室をリモートで開催したり、体育館での児童・生徒の学習活動やPTA活動などにも活用できます。これからも災害時に備え、避難者の不安を解消するのはもちろん、地域のコミュニティ活動や学習活動などに幅広く生かし、安全・安心で持続可能なまちづくりを進めます。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
次に、地域コミュニティのDXとデジタルディバイド対策について御質問をさせていただきます。デジタルディバイドとは、インターネットを使える人と使えない人との間に生じる情報格差のことです。先ほど御紹介した潮見地区の事例は、コロナ禍で地域でのコミュニティ活動が制限される中、デジタル技術を活用し、インターネットが苦手な方が少しでもコミュニティ活動が継続できるように、地域のコミュニティのデジタル支援を行っている取組でした。しかし、そんな取組で一生懸命に学んでも、苦手な方はいます。特に高齢者の中には、マイナンバーカードやマイナポイントの申込みが自分でできず、市役所に出向いたり、知人にお願いしたりするなど、大変御苦労されたという声をお聞きしました。また、高齢者に限らず、デジタル機器の取扱いが不慣れな方もおり、デジタルディバイド対策の必要性を実感しているところです。そのような中、令和3年度から松山市内の公民館を会場に、誰もが参加できるスマートフォン教室を開催し、シニアのデジタルディバイド対策に取り組んできたとお伺いしています。このような制度を活用し、地域のコミュニティに参加する皆さんのデジタル技術を向上したり、活動を活性化したりすることは、非常に大切だと思います。お伺いします。今後公民館など、地域コミュニティのDXをどのように進めていくのか、お聞かせください。また、こうした地域コミュニティ団体の支援も重要ですが、地域にお住まいの多くのシニア層やデジタル機器の取扱いに不慣れな方へのきめ細やかな対策も大切だと思います。スマートフォン教室などのデジタルディバイド対策のこれまでの実績と今後どのように進めていくのか、お聞かせください。
◎答弁 吉田健二総合政策部長
◎吉田健二総合政策部長 まず、地域コミュニティのDXですが、昨年度は愛媛県との協働事業により、潮見地区まちづくり協議会でのデジタル化を支援しました。今年度も県市協働事業として、1団体で実施することに加え、本市独自の事業としても、新たに3団体で実施することにしています。現在、地域の課題をヒアリングするなど、対象となる4団体を調整しており、それぞれのニーズに応じた支援を行うとともに、事業効果を検証することにより、次年度以降の事業の継続や規模について検討していきます。次に、デジタルディバイド対策ですが、スマートフォンの講習会は、民間事業者と連携して、令和3年度、4年度の2カ年で41公民館地区の全てで開催し、約600人に参加いただいており、今年度も希望のあった33地区で順次開催していきます。また、昨年8月から県と県内20市町の協働事業で、郵便局にスマートフォンの相談窓口を開設しており、市内の相談窓口では、先月末までに延べ人数で約1,400人に利用されています。今後もアンケートなどでニーズを把握し、高齢者などデジタルの活用に不安がある方を効果的に支援していきたいと考えております。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 松山市が、今後も引き続き地域のシニアの皆様にきめ細やかな対策を進めていただけるということで安心をしました。シニアの皆様が苦手なDXという言葉を耳にしない日はない昨今、地域の公民館でも少しずつデジタル化が進んではいますが、アナログな部分も多々あります。しかし、私は、公民館・分館の皆さんのDXではないアナログな取組が好きです。激動の昭和を生き抜いた皆様には、古きよき日本文化から結果を出す力があります。過去の経験や人脈を生かして結果を出してきた取組は、若い方が逆立ちしてもかなわないところではないでしょうか。とはいえ、少子化が進行している松山の各地域で、持続可能なまちづくりを行うためには、子ども・若者の声に耳を傾けて社会参加を進めていかないと、ますます人口減少に拍車がかかり、若い方が生まれ育った町から流出するのも否めません。人脈のつながりを大切にしてきたシニアの皆様が、DXが日常の若者を巻き込み、意思決定が融合したとき、その町はすばらしい未来が描けると思います。シニア世代と若者世代の融合を可能にする場、それが公民館や分館・集会所のネットワークではないでしょうか。
公民館対象区域と学校通学区域のずれについて
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(公民館対象区域と学校通学区域のずれに関連した質問は、20:05頃から始まります)
次の質問では、公民館の対象区域と小・中学校の通学区域とのずれについて御質問をさせていただきます。昨年12月議会におきまして私は、人口減少問題について、松山市として人口の減少を少しでも食い止めるために、今住んでいる地区にずっと住み続けたいと思っていただけるような各地区の取組事例を紹介してほしいと質問をさせていただきました。答弁では、三津浜地区の取組について、地元の実行委員会と松山市とが協働し、三津浜地域特有の食文化の普及や古民家のマッチング事業など御紹介をいただきました。このような地域の取組に関連して、まずお伺いします。このようなまちづくりに関連した事業は、大人が中心になって計画・実行されるような事例が多いと思います。では、逆に、松山市のまちづくりの事業として、大人ではなく小学生や中学生、高校生や大学生が中心となって実施された事業はあるのでしょうか。また、大人が中心となって実行した事業に子どもたちも共に関わり合い取り組んだような事業はあるのでしょうか、あれば教えてください。
◎答弁 家串正治坂の上の雲まちづくり部長
◎家串正治坂の上の雲まちづくり部長 本市では、まちづくり提案制度である次世代育成支援事業により、次代を担う小学生から大学生が提案し、実施するまちづくり活動を支援しています。昨年度の事例では、小学生のグループが、自分たちで地域のイベントを企画し、住民とも交流しながら、夏祭りやハロウィンなど、時期に合わせたイベントを実施したり、大学生で構成するNPOが、地域の方々や子どもたちに食品ロス問題などSDGsについて考える機会を提供するため、野菜づくりや農業イベントを開催するなど、様々な活動が行われています。次に、大人が中心である事業に子どもたちも関わった事例についてですが、令和3年度から久谷地区まちづくり協議会等がフィールドミュージアムアカデミー久谷カレッジを立ち上げ、大学生と協働で地域の活性化に取り組んでいます。事業を進めるに当たり、大学生が地元の小・中学生に独自のアンケート調査を行い、子どもたちの地域に対する意識を分析し、事業提案につなげるほか、久谷中学校と連携した地域巡りを開催し、中学生が地域文化や歴史資源を学習し、交流するなど、地域と子どもをつなぐ活動を実施しています。今後もまちづくりへ若い世代の参画を促すことで、地域の持続性を高めていきたいと考えています。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
先日、担当課より公民館の対象区域、分館の対象区域、小学校の通学区域、中学校の通学区域それぞれの一覧をいただきました。まず、公民館と分館との関係についてお伺いします。三津浜公民館には分館がありません。反対に、分館が一つの地域に一丁目分館、二丁目分館と丁目ごとにある分館もあります。公民館対象区域に分館が一つもなかったり、また地域によっては複数の分館があったりするのはなぜなのか、教えてください。また、分館の役割及び公民館と分館の関係性についてお聞かせください。
◎答弁 前田昌一教育長
◎前田昌一教育長 松山市は、昭和25年に11館を条例設置して以降、現在では41の地区公民館を設置していますが、地域から社会教育活動を推進するための拠点として分館設置の要望があった場合には、設置基準に基づき、順次その活動を認定してきました。したがいまして、設置基準を満たせば、一つの町に複数の分館が設置されることもありますし、地域によっては分館を設けず、町内会などと公民館とが連携して社会教育に取り組んでいる地域もあります。また、分館は、分館長、分館主事を置き、公民館に準じた組織化を行い、地域の活動拠点としての役割を担っており、公民館と一体となった社会教育を行う関係にあります。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。分館を交えてちょっと質問をすると、お聞きしたいことが非常に多くなり、複雑になりますので、分館については、また次回どこかの機会でお聞きしたいと思います。
私が、松山市議会議員にならせていただき9年が経過しました。私は、椿校区の出身なのですが、椿校区は、古川、和泉南、市坪と3つの町からできています。このうち市坪にお住まいの方から、この9年間で最も多く寄せられた声は、市坪は椿ですという御意見です。これだけを聞けば当たり前のように聞こえますが、もともと市坪は、余土村という村の一部でした。市坪村、保免村、余戸村が合併してできたのが余土村とのことで、その後、昭和29年余土村は松山市と合併しました。松山市と合併した余土村は、市坪、保免、余戸の3つの地域に分かれ、現在に至っています。小・中学校の通学区域で見てみますと、市坪、保免、余戸の3つの地域は、小学校区は余土小学校、中学校区は余土中学校だったのですが、このうち市坪に関しては、昭和51年に椿小学校ができた際に、余土小学校区から椿小学校区に校区が変更されました。同様に昭和61年椿中学校ができた際に、市坪の中学生は、余土中学校から椿中学校区へ校区が変更されました。現に私も1年生は余土中学校に通い、2年生から椿中学校に通いました。昭和61年以降、市坪は、小学校区・中学校区は共に椿校区へと移動したのですが、公民館区としては、いまだに余土地区のままです。椿校区には、市坪以外に古川町と和泉南がありますが、公民館対象区域は、全て石井地区になります。同じ椿校区でありながら、中学校を卒業した後、市坪のみが石井地区ではなく、余土地区になるのです。市坪の人たちは、小学生の間も中学生の間も学校行事は石井地区にある椿なのに、公民館行事は余土地区という状況になっています。相談を受けるたび、このような公民館対象区域と学校区、通学区域のずれがある地域では、今の若者が将来、地域への所属意識、参画意識を薄れさせることにつながらないかと心配になります。ですが、これはあくまで私が椿校区との関わりがあり、市坪の人たちと多く触れ合う機会があるから特にそう思うだけで、ひょっとすると地域によっては、全く違う見解の地域もあるのかもしれません。例えば、小学校からの視点で見た場合、福音小学校では、久米公民館、石井公民館、素鵞公民館、桑原公民館と4つの公民館対象区域が絡んでいます。また、分館からの視点で見た場合、北久米分館いわゆる北久米集会所では、石井東小、北久米小、福音小の3つの分館対象区域が絡んでいます。一つの学校に公民館が4つあったり、一つの町でありながら、学校が3つに分かれたりしています。ひょっとすると、これらの地域でも何かしらの感情を抱く住民がいらっしゃるのかもしれません。そこでお伺いします。松山市の小・中学校の通学区域と公民館の対象区域のずれがなぜ起こったのか、現在の状況をお聞かせください。
◎答弁 前田昌一教育長
◎前田昌一教育長 小・中学校の通学区域と公民館区域ですが、本市では、昭和40年代後半以降の児童・生徒数の増加を背景に、小・中学校規模の適正化を促進し、教育効果の向上を図るため、保護者代表や学識経験者などで構成される松山市通学区域調整審議会を設置し、規模が大きくなった学校の分離、新設を行ってきました。その際には、学校の適正規模や通学距離の短縮、安全性等も考慮して、隣接校の一部区域を組み合わせるなどしたため、通学区域と公民館区域に違いがあります。次に、現在の状況ですが、公民館41地区に対し小学校は53校で、一つの通学区域に対して公民館が一つのところは40校、新設校の多くを含む残り13校は、複数の公民館が混在している状況です。また、中学校は29校あり、そのうち一つの通学区域に対して公民館が一つのところは10校です。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
公民館とは、日本独特の施設であり、第二次世界大戦に敗戦した日本において、社会教育局公民教育課に配属された寺中作雄という人物が提起した公民館構想というものが基となって、日本全国に設置されることになったようです。この構想が提起されたのは1945年のことですが、翌年には文部科学省次官により、公民館の設置運営についてという通牒によって国の方針としても示されることになります。通牒とは、現在で言う公文書のことです。この通牒には、さらに、公民館設置運営の要綱という別紙が添えられていました。この要綱には、公民館の役割として、次の7つが示されています。1、民主的な社会教育機関、2、自治向上の社交機関、3、郷土産業振興機関、4、民主主義訓練の実習所、5、文化交流の場所、6、青年層の参加の場所、7、郷土振興の基礎をつくる場所、公民館の全国設置に当たって、公民館という施設に充てられた役割は、戦後の日本において郷土の復興、地域交流という役割とともに、戦後、民主主義訓練の実習所として、民主主義の普及という役割もまた託されていたのがよく分かります。3年後には、公民館という施設が初めて社会教育法という法律により定義づけられました。松山市ホームページに、公民館一覧というページがあります。そこには、先ほどの社会教育法の条文が紹介されています。社会教育法第20条、公民館の目的、公民館は、市町村その他一定区域内の住民のために、実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、もって住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的とする。この条文では、公民館の対象者について、一定区域内の住民と記載されています。では、その一定区域内の住民とはどのような住民を意味するのか。同法第23条の2、公民館の設置基準では、公民館活動の効果を高めるため、人口密度、地形、交通条件、日常生活圏、社会教育関係団体の活動状況等を勘案して、当該市町村の区域内において、公民館の事業の主たる対象となる区域を定めるものとするとあります。ここには、社会教育関係団体の活動状況を勘案してと記されています。また、第6条におきましては、公民館は、事業を実施するに当たっては、関係機関及び関係団体との緊密な連絡、協力等の方法により、学校、家庭及び地域社会との連携の推進に努めるものとすると記されています。この条文では、学校という言葉にも触れられており、学校、家庭及び地域社会との連携に努めるものと記載されています。お伺いします。戦後、寺中作雄によって提起された公民館構想が、1949年に社会教育法によって法制度化され、70年以上の時が経過しました。松山市として、公民館は今後どのようにあるべきだとお考えでしょうか。また、公民館における学校、家庭及び地域社会との連携とはどのような活動があるのか、お聞かせください。
◎答弁 前田昌一教育長
◎前田昌一教育長 少子高齢化や核家族化、情報格差が進行した今日では、地域コミュニティの希薄化や次世代の担い手不足など、地域を取り巻く環境が変化しています。こうしたことを解決していくために公民館は、地域住民がその地域について理解を深め、関心や愛着を持ち、各地域の特性、歴史、文化等を生かした独自性のある活動を展開し、支え合う地域社会づくり、いわゆる地域の教育力を高めていく必要があると考えています。今後も地域を構成する学校・家庭・地域が、それぞれが持つ力を出し合い、地域資源を生かした校外活動、見守り活動、体験活動など、相互の活動を連携させることで、地域全体の教育力の向上を目指していきます。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
公民館運営に関する基準については、文科省告示によってまとめられているのですが、公民館に関するそれ以外の決まり事については、社会教育法にて定められています。では、社会教育法で定められている社会教育とは何なのか。これは、社会教育法第2条において以下のように定められています。社会教育とは、学校教育法または就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律に基づき、学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動をいう。つまり、学校教育法に制定される学校教育課程以外の青少年や成人に対する教育のことを社会教育と定めています。もともと戦後、民主主義の普及のための役割も担っていた公民館ですが、既に日本国には民主主義が普及し、当初公民館に求められていた役割の一部は果たされたのかもしれません。ですが、時代の要求に合わせて求められるその役割も変化しているのではないかと思います。その役割の一つが、現在学校教育の場にある子どもたちが将来活躍する地域コミュニティとしての役割です。もう一度、市坪というまちを例として挙げますが、市坪が、かつて余土村だった時代に学校教育を受けていた世代の皆様にとっては、今の状況は居心地のよいものかもしれません。ですが、現在は、既に市坪が余土校区から離れ、石井地区の椿校区の子どもたちとともに小・中学生として学校教育を受けた世代が、学校教育を終え社会人となり子を産み、育てる世代として活躍している時代です。もちろん市坪だけではありません。ほかにも様々な地域があり、それぞれの地域には、地域特有の事情があると思います。小・中学校の通学区域と公民館の対象区域のひずみの問題は、時代の人口構造の変化に伴い、松山市だけでなく、日本全国でも課題となっているのだそうです。学校に関しては、愛媛だけではなく、日本各地で少子化による統廃合が進められています。一方、公民館に関しては、人口の推移によって公民館対象区域を変えるまでの議論にはなっていないと思います。本来であれば、地域の持続可能性を考えたとき、学校の統廃合に合わせて公民館の対象区域も考える必要があったのではないでしょうか。私は、小・中学校の通学区域と公民館の対象区域の整合性が問われる時代がやってきたと思っています。公民館活動を、今後、子どもたちの地域活動の参加や未来へ持続させる地域づくりの観点から、一小学校区一公民館を基本構想に考えていくべきだと思っています。しかし、この問題は、例えば松山市議会議員である私がこのようにすべきだと考えたとしても、それをそのまま実行すればよいという問題でもないと思います。世代によって考え方も違うでしょうし、地域によっても考え方は異なると思います。関心を全く持ったことがない人も当然いるでしょう。ですが、大人だけで考えるのではなく、大学生、高校生、中学生、小学生まで含めて参加し、それぞれの立場から、今、自分の住んでいる町の未来を想像し、考える場面があってもよいと思います。学校の通学区域と公民館の対象区域が、なぜ今こうなっているのか、成り立ちから学ぶことで、やはり変えていかなければならないという結論になるかもしれません。反対に、理想と現実は一致しない、現状のままが望ましいという結論になるかもしれません。私は、このような取組は、単に公民館の問題について考えるだけでなく、特に子どもたちが、今、自分たちが学んでいる学校や地域の歴史に関心を持ち、いま一度、郷土に愛着を持つ、地元を支える、そんなきっかけになってほしいと思っています。お伺いします。子どもを真ん中に置いて、子どもたちの育ちに関わることが正道とされてきました。子どもの立場で考え、どのような選択が望ましいのか、今、岐路に立っているのではないでしょうか。私は、小・中学校通学区域と公民館対象区域のひずみについて改正する必要がないという考え方まで含めて見詰め直す時代が来ているのではと思っています。子どもたちの地元活動への参加や持続可能な地域づくりの観点から、公民館の対象区域と小・中学校の通学区域を将来的にそろえることについて松山市の見解をお聞かせください。また、松山市の多くの市民に、現在の公民館活動に関心を持ってもらえるような取組や情報発信についても御意見をお聞かせいただけないでしょうか。
◎答弁 前田昌一教育長
◎前田昌一教育長 まず、小・中学校の通学区域については、先ほど申し上げましたとおり、通学区域と公民館区域が一致しない学校もありますが、そうした学校では、生活科や総合的な学習の時間に、町探検や校区巡り等で地域情報や施設などにも触れる機会を設けています。また、公民館でも、公民館区域が複数ある学校に事業の募集を行う際には、全校の児童・生徒に案内するなどして、各公民館の行事に参加できるように努めています。このように学校や公民館が柔軟に対応することで、子どもたちが幅広く活用できているため、相互の区域をそろえる考えはありません。次に、公民館活動に関心を持ってもらうためには、地域資源を生かした特色ある事業や郷土への愛着や誇りを育む教育を推進することが必要だと考えています。そこで、公民館では、子育て世代が関心のある事業や生活改善講座など、日々の暮らしに直結した事業等を実施しており、実施に際しては、公民館だよりの全戸配布・回覧、市政広報番組やメディアへの出演、またまちづくり協議会などの他団体と連携した積極的な情報発信に努めています。以上です。
◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 公民館の対象区域と小・中学校の通学区域のひずみを解消するのがいいのか悪いのか。松山市民のためになるのか、ならないのか。人脈で結果を出してきたシニアの皆様と、DXが日常の若い皆様の意思が融合した、今よりさらにすばらしい未来が描ける公民館になるよう私も努力してまいります。以上で、質問を終わります。ありがとうございました。



