令和 5年12月定例会 12月01日-03号

虐待と里親制度について

◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 自民党議員団の向田将央です。一般質問をさせていただきますので、理事者の皆様におかれましては明快な御答弁をよろしくお願いします。私が受ける様々な御相談の中で、決して少なくないのが親御さんの子育てに関する問題です。その中でも特に私が今気にかかっているのが、虐待の問題です。もちろん虐待と言っても様々なケースがあります。多くの方が御想像されるのが、たたいたり蹴ったりといった物理的な暴力だと思うのですが、これ以外にも言葉による暴力、父親から母親へお子さんの目の前でのDV、性暴力であったり育児放棄、ネグレクトの問題もあります。私がお伺いした御相談の中で印象に残っているのが、1人のシングルマザーから受けた御相談です。シングルマザーですので、お一人でお子さんを養っていく必要があります。収入を得なければなりませんから、毎日働きに出るわけですが、だんだんと体力がついていかなくなり、子育てに手が回らなくなります。この状態がしばらく続いた後、近隣からの通報があり、児童相談所の介入を受け、児童養護施設で一時保護されることになりました。私は、この段階でお母さんから相談を受けることになります。お母さん御本人からすると、育児放棄をしたつもりはなく、お子さんへの愛情もありますから、虐待ではない、子どもを返してほしいとおっしゃいますが、近隣の方はこれを育児放棄、つまりネグレクトであると考え、児童相談所への通報をされました。個人を特定されるのでここまでにいたしますが、結論から申しますと、私はこのお母さんからの御相談をお母さんが望む解決へと導くことはできませんでした。この相談を受けたのは何年も前のことではありますが、私もこの相談を受けたことで、改めて虐待という問題をいろいろな立場で深く学びたくなるきっかけとなりました。この相談を受けた当時、私は児童虐待に対する取組は、全て児童相談所が行うものだと思っていました。しかし、児童相談所の管轄は愛媛県だということで、では松山市はこのような虐待の問題に対しどのような取組を行っているのか調べていく中で、松山市には子ども総合相談センター事務所という機関が設置されていることを知りました。担当課の方は、この子ども総合相談センター事務所のことを子相と言われていましたので、同じ呼び方をさせていただきます。また、愛媛県管轄の児童相談所のことも児相と言われていましたので、そのように言わせていただきます。子相と児相との連携についてお伺いします。この松山市の子ども総合相談センター事務所、子相とは、どのような業務を行う機関なのでしょうか。また、愛媛県の児童相談所、児相とは、どのような業務を行う機関なのでしょうか。両者の違いも併せて御説明をお願いします。

◎答弁 宇野哲朗こども家庭部長

◎宇野哲朗こども家庭部長 子ども総合相談センター事務所と児童相談所は、子どもの虐待等への対応などで共通する業務はありますが、子ども総合相談センター事務所が、虐待の未然防止や重症化予防を担う一方で、児童相談所は重篤な虐待が発生した際に家庭に立ち入る権限や子どもを一時的に保護する権限などを持っています。以上です。

◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 ありがとうございます。改めてお伺いします。私が担当課から御説明を伺った際、家事の仕方を親から教えられたことがなく、分からない方に対して、家事の仕方をレクチャーする子相の独自の取組についても御紹介をいただきました。これは非常にすばらしい取組であると感じましたので、併せて御紹介をいただけないでしょうか。また、ほかにも同様な取組があれば、併せて御紹介をお願いします。

◎答弁 宇野哲朗こども家庭部長

◎宇野哲朗こども家庭部長 子ども総合相談センター事務所では、家事が苦手で、支援してくれる親族がいない保護者などに、職員やヘルパーが訪問し、家事支援をしています。具体的には、食事では、調理が簡単で栄養バランスが取れた物を一緒に作り、掃除は分別方法、洗濯では汚れの落とし方などを伝えています。また、こうした家事支援の中で、育児不安や悩みなどのある保護者には、気持ちに寄り添いながら丁寧に聞き取り、助言を行っています。以上です。

◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 ありがとうございます。今御紹介いただいた取組にとどまらず、虐待の防止につながるような取組を今後も積極的に取り入れていただくことを、ぜひお願いいたします。
関連して次の質問に移ります。虐待の情報を集める中で出会った1冊の本があります。タイトルは「真に」子どもにやさしい国をめざしてという本で、サブタイトルに児童福祉法等改正をめぐる実記と添えられています。著者は、平成10年よりこの児童虐待問題に対して熱心に取り組んでおり、その発想の根幹には、子どもは幼い頃より家庭、もしくは家庭と同様の愛情を与えられる環境で育てられる権利があるという考え方の下、このような考え方は、ヨーロッパやアメリカなどでは先進的に取り入れられています。もう少し分かりやすく御説明しますと、お子さんが虐待環境にある家庭で、仮にお子さんを虐待行為をする親から引き離すことができたとしても、その子が新たな養育者と深いところでつながる心の絆、言い換えれば、愛着関係の築かれた環境で育つことができなければ、その子の健全な発達には結びつかないという考え方です。例えば、愛着関係が築かれず育った場合、成人後に問題行動を起こしたり、その子にお子さんが誕生した際、そのお子さんに対してまた同じような虐待行為を行ってしまうということです。現在の日本では、親御さんがいない、もしくは親御さんとの関係性に問題があるお子さんは、児童養護施設へ預けることが当たり前だという考え方がどこかにはあるのではないでしょうか。ですが、そのような児童養護施設でも、愛着関係の形成が重要だと考えられるようになり、昔のように大規模な施設の中で、たくさんの子どもたちが同じスペースの中で育成される状況は減ってきていると思います。平成30年7月6日に厚生労働省より、都道府県に対して、令和元年までに社会的養育推進計画を策定し、各施設にはおおむね10年で小規模かつ地域分散化を図る計画の策定が要請されました。お伺いします。管轄は愛媛県なので、本来であれば松山市にお伺いする内容ではないのかもしれませんが、あえてお伺いします。特に各施設に対して要請された小規模かつ地域分散化を図る計画の策定は、松山市内の施設ではどの程度進んでいるのでしょうか。また、計画だけでなく、実際の小規模化、地域分散化がどの程度行われているのかについても教えてください。

◎答弁 宇野哲朗こども家庭部長

◎宇野哲朗こども家庭部長 対象となる施設は、市内に5か所あり、職員が入所児童との面談に訪れた際には、着実に進んでいると感じていますが、各施設の具体的な計画や進捗状況は、所管する愛媛県に確認したところ、現時点では公表していないとのことです。以上です。

◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 ありがとうございます。先ほど御紹介した書籍の著者が、当初このような児童虐待の問題に関心を持つようになったきっかけは、平成10年、愛媛県宇和島市の児童養護施設の理事長を務めていた方からある御相談を受けたことにありました。現在ですと、児童養護施設に預けられているお子さんたちの多くが、親御さんから虐待を受けていたという話を耳にしても、そう違和感を覚えることはないのかもしれません。ですが、平成10年当時は、このような情報が一般的ではなく、著者をはじめ、当時4名の議員さんは、施設に預けられている子どもたちの約半数が家庭内での虐待が原因で預けられているという事実を耳にして、非常に衝撃を受けたのだそうです。それ以降、同じ問題に関心がある議員さんと共に児童虐待対策に取り組み始めたのですが、厚生労働省職員との対立に苦しめられることになります。当時、著者が大切にしていたのは、施設の職員目線や親御さん目線ではなく、虐待の当事者である子ども目線での法改正、制度改正を行うことを大切にしていたのですが、当時の厚生労働省の職員は、そんな著者の意を酌むことなく、当時の地方自治体の状況を特に優先した条文しか用意しようとはしませんでした。しかし、そんな厚生労働省が重い腰を上げるきっかけとなったのが、次の2つの事件です。お隣香川県から東京都に転居した後、虐待によって幼い命を失うことになった当時5歳の結愛ちゃん。痩せ細った小さな体には、170か所の傷がありました。そして、もう一つは、父親からの虐待に苦しみ、小学4年生、10歳でその命を失うこととなった心愛ちゃん。検察も拷問とも言える壮絶な虐待と言い、裁判員が泣き出し、一時休廷するほどの事件でした。この2つの事件とも、児童相談所の一時保護で保護されたものの、後に親元へと戻され、事件は親元へ戻された後に起きています。ただし、これも一方的に児童相談所を責めるために挙げた事例ではなく、特に結愛ちゃんの事例では、児童相談所は何の考えもなく親御さんの言いなりになって結愛ちゃんを親元へと戻したわけではありません。親元へ戻した後も、指導措置という条件がつけられており、児童相談所、そして小児科の先生が一体となり、連携してその対応に当たっていました。平成29年12月に父親が東京に引っ越し、それにより結愛ちゃんに対する虐待も見られなくなったため、翌月、児童相談所からの指導措置も解除されました。ところが、その翌月、結愛ちゃんは、母親と一緒に突然父親のいる東京へと引っ越してしまい、その後、母親と香川県児童相談所との連絡が全く取れなくなってしまいます。その2カ月後、結愛ちゃんは虐待によりその幼い命を失ってしまうこととなりました。このような経緯がございますから、ちまたでよく見られる、児童相談所はなぜ児童を親元へ引き渡してしまったのかと批判するのは適当ではないと思っています。ただ、もしも当時、結愛ちゃんを安全な場所で見てくれる環境が整っていれば、状況は変わっていたのかもしれません。冒頭に御紹介した私が相談を受けた事例も、もし土日だけでも面倒を見てくださる方のところにお子さんを預ける環境が整っていれば、状況は変わったのかもしれません。虐待によって2つの大切な幼い命が失われてしまった後、いよいよ厚生労働省は本腰を上げて児童福祉法の改正、さらに民法の改正にまで関わる法改正、制度改正の実現に向けて動き始めることになりました。お伺いします。平成28年に児童福祉法の改正が行われて以降、翌年の平成29年には児童虐待防止法が、令和元年には民法及び児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部も改正されました。具体的にどのような改正が行われたのかを含め、この改正に対する松山市の受け止め方をお答えください。

◎答弁 宇野哲朗こども家庭部長

◎宇野哲朗こども家庭部長 平成28年の改正では、児童虐待の発生予防から自立支援までの体制を強化するため、専門職を配置することなどが規定されました。また、平成29年の改正では、児童を入所措置する際に訴訟が増えたため、児童相談所へ弁護士を配置することなどが、さらに、令和元年の改正では、体罰等によらない子育てが規定されました。本市では、法改正の前から専門職を配置して体制を整えるとともに、法改正を受け、弁護士から専門的な助言をいただいたり、子どもに関わる方々にしつけと体罰の違いなどを周知・啓発するなど、児童虐待防止の体制を強化してきました。以上です。

◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 ありがとうございます。本年、令和5年1月、愛媛県松山市を拠点として、一つのNPO法人が発足しました。子どもリエゾンえひめという名称のNPO法人です。この団体は、ビジョンに、全ての子どもが愛されて育つ社会の実現を主題として、概要には、家庭養育優先原則の下、里親養育を推進し、全ての子どもの愛されて健やかに育つ権利が保障される社会を実現しますと掲げています。里親制度の周知と募集、育成、そしてお子さんとのマッチング支援を目的として設立された団体です。先日、私もこの事務所を訪問した際、里親にも様々な里親制度があることを伺いました。このとき里親制度として私が先ほど例としてお示ししたような短期間の里親さん、また週末だけ、または夏休みや冬休みだけお子さんを受け入れる里親さん、また幼少期から養育里親として長期間お子さんに関わる里親さん、さらには緊急性がある場合など、お子さんをその日の一時的にお預かりする里親さん、そして戸籍上も親子となってお子さんを育てる養子縁組という制度。書籍の著者が、児童虐待の問題に取り組み始めて以降、実の親御さんとの間で愛着関係を築くことができないお子さんが、実の親御さんに代わって愛着関係を築くことができる理想の取組として考えてきたのがこの里親制度です。先ほど御紹介していただいた制度改正の中には、里親制度に関連した取組をより実現しやすくなることを目的とした制度改正も多数含まれています。理想は、実の親御さんが愛情を持ってお子さんに関わり続けることですが、もしも自分自身のことで頭がいっぱいで、その実現が難しい親御さんがいらっしゃるのなら、例えば短期間の里親制度を利用して、少しでも親御さんが自分自身に向き合うことができる時間を行政側が用意することも必要です。冒頭で御紹介させていただいた、家事のやり方を教わる機会がなかった親御さんに家事のやり方をレクチャーする松山市子相の取組もとてもすばらしい取組だと思います。そして、それでもどうしても親御さんがお子さんに関わり合うことが難しい場合、または親御さんにお子さんと関わり合う上で大きな問題がある場合、その際最も優先されるのは、当事者となるお子さんが将来に向けて、本来御両親と築き上げていくべき愛着関係を築くことができるかどうか、これが最も大切です。このような考え方から、家庭の次に優先すべきだと考えられたのが里親制度であり、政府の制度設計もその考え方に基づいて行われています。児童福祉施設の小規模化を実践するよう厚生労働省より指導が行われたのは、そのような理由に基づいてのことです。お伺いします。松山市では、里親として登録を行っている方がどのくらいいるのか、またどのような里親制度が実際に利用されていて、それらがどの程度利用されているのか、教えてください。また、里親になりたいと考える方がいたとしたら、どのようにすればよいのか、本気で考えている方にも分かりやすく教えていただけますでしょうか。

◎答弁 宇野哲朗こども家庭部長

◎宇野哲朗こども家庭部長 まず、里親の登録数についてですが、里親制度を所管する愛媛県に確認したところ、11月1日現在、松山市の養育里親は104世帯、164人です。次に、里親制度の利用については、本市では、養育者が育児に疲れた場合や出張などで留守にする場合などに、養育里親が宿泊なしで日中に子どもを預かるトワイライトステイ事業と7日まで宿泊が可能なショートステイ事業を実施しており、令和4年度は7世帯の里親が延べ70人の子どもを預かりました。最後に、里親になりたい方には、所管する愛媛県の児童相談所での手続が必要になりますので、本市に連絡があった際には、チラシなどで里親制度の概要を伝えた上で児童相談所に案内しています。以上です。

◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 ありがとうございます。関連して次の質問に移ります。虐待の問題を考える上で、一つの大きな問題と考えていることがあります。先ほど御紹介した結愛ちゃんの事件ですが、この事例で最大の問題だったのは、実はお母さんではなく、お母さんが再婚した相手、結愛ちゃんにとっては血のつながっていない2人目の父親の存在です。児童虐待問題に関して、私が相談を受ける中でよく耳にするのが、お子さんと血のつながっていない父親、もしくは彼氏さんに関連した問題です。これは、御本人から相談を受ける場合もありますが、中には御本人ではなく、例えば親御さんであったり、御友人であったり、御本人以外から御相談をいただくことがあります。御紹介させていただいた事例のような、実際の暴力によるケースもそうなのですが、その多くがお母さんの関心がお子さんよりも新しい旦那さんや彼氏さんのほうに向かってしまい、事実上の育児放棄、ネグレクトに近い状況が発生してしまうケースです。お伺いします。松山市では、数多くある虐待事例のうち、このような血のつながっていない父親や彼氏さん等が関係した事例がどの程度含まれているのか把握はされているのでしょうか。また、そういうようなケースを児相が直接受付し、最後まで対応した場合、子相との間で全く同じ情報が共有されているのか、教えてください。

◎答弁 宇野哲朗こども家庭部長

◎宇野哲朗こども家庭部長 令和4年度に対応した虐待件数1,395件のうち、115件で8.2%となっています。また、情報の共有は、子ども総合相談センター事務所と連携している事例では、その都度情報共有を行っていますが、直接警察や児童相談所に通報された場合などには、まずは児童相談所が対応し、その後、必要に応じて子ども総合相談センター事務所と情報共有をしています。以上です。

◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 ありがとうございます。もちろん、お母さんが再婚なさったケース、もしくは彼氏さんと同居なさっているケースの全てがそういうわけではありませんし、実際には私が心配するほどのケースは発生していないのかもしれません。ですが、児童虐待を抑制していく上で、このような情報を松山市として把握し、分析できる状況を用意しておくことはとても大切なことだと思います。お伺いします。このような事例ごとのデータの統計を取ることについて、松山市の考えをお聞かせください。また、事例の多くを把握しているのは児相だと思うのですが、松山市単独でどの程度まで集計が可能なのかも併せてお聞かせください。

◎答弁 宇野哲朗こども家庭部長

◎宇野哲朗こども家庭部長 他の市町と本市のデータを比較して本市の特徴を把握することは、児童虐待の未然防止などに役立つため統計は必要であると考えています。お尋ねの虐待者の内訳は、国が全国一律で分類を定めていますので、松山市も同様の集計を行っています。ただし、国が公表する統計は都道府県ごとになっていますので、県内の市町や中核市などの統計は必要に応じて収集し、分析しています。以上です。

◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 ありがとうございます。話題を再度、里親制度に戻して質問をさせていただきます。NPO法人子どもリエゾンえひめをお伺いした際、私は里親制度そのものの意義に共感し、研修制度についてもお伺いをさせていただきました。実際にその研修に申込みをさせていただこうと思ったのですが、研修は中予、東予、南予に分けて開催しており、中予の研修期間は既に終わっているとのことでした。お伺いします。この里親制度の研修制度は、現在管轄が児童相談所にございますので、松山市ではなく、愛媛県によって実施されています。しかし、もし愛媛県ではなく、松山市がこの制度を管轄し、実施することができれば、松山市で開催される研修会の回数をもっと増やすことができるのではないかと思うのですが、これが可能になるような方法はないのでしょうか、御回答をお願いします。

◎答弁 宇野哲朗こども家庭部長

◎宇野哲朗こども家庭部長 愛媛県に確認したところ、児童相談所の業務のうち、里親業務だけを本市が管轄することは難しいとのことです。本市では、児童の健やかな成長のためには、里親制度は必要だと考えていますので、研修の受講者数の状況を考慮しながら、愛媛県に研修機会を増やすことを要望するとともに、限られた研修機会を見逃さないように県と連携して積極的に周知したいと考えております。以上です。

◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 現在、中予の児童相談所が管轄する範囲は非常に広く、中核市の松山市をはじめ、伊予市、東温市、松前町、砥部町、久万高原町はもちろん、本来東予であるはずの今治市、上島町、南予であるはずの八幡浜市、大洲市、内子町、伊方町に至るまでが中予の児童相談所の管轄とされています。中予の児童相談所が管轄する人口は、実に91万人に上ります。このうち、松山市の人口が51万人です。平成29年6月に成立した児童虐待防止対策強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律では、概要として、以下のような記載がされています。一部抜粋します。(2)児童相談所の設置促進②政府は、施行後5年間を目途に中核市及び特別区が児童相談所を設置できるよう、施設整備、人材確保・育成の支援等の措置を講ずるものとする。その支援を講ずるに当たっては、関係地方公共団体その他の関係団体との連携を図るものとする。③政府は、施行後5年を目途に、支援等の実施状況、児童相談所の設置状況及び児童虐待を巡る状況等を勘案し、施設整備、人材確保・育成の支援の在り方について検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。管轄は政府、国ですが、ここに記されている内容は、都道府県とは別に、中核市及び特別区に対して児童相談所の設置を促進することが法制度として取り決められている内容です。平成29年ですから、めどの5年後とは令和4年。今年は法律の公布から既に6年が経過しています。この制度は、この後も度々制度の更新が行われており、本年、令和5年度分としても、中核市に対する児童相談所の拡充に向けた予算組みがなされています。以下、厚生労働省の資料から一部抜粋します。②児童相談所の設置促進事業の拡充 令和元年改正児童福祉法を受けた児童福祉法施行令の改正により、児童相談所の管轄区域内の人口を「おおむね50万人以下」とすべき旨が規定されたが、管轄区域内の人口が100万人を超えている児童相談所が一定数あるため、現在、児童相談所を設置していない中核市の設置に向けた事務手続等を行う非常勤職員を配置する場合の補助対象を拡充する。実施主体は、都道府県、指定都市、児童相談所設置市、中核市、施行時特例市、特別区。補助基準額は、①中核市1か所当たり217万2,000円、②研修等代替職員を配置する場合、中核市1か所当たり1,025万9,000円、補助率は、国2分の1、中核市2分の1。松山市も中核市です。先ほどの書籍が発行された令和2年7月の段階で、児童相談所が設置されている中核市は3か所あります。石川県金沢市、神奈川県横須賀市、兵庫県明石市。どの中核市も松山市より人口の少ない自治体です。お伺いします。愛媛県とは別に、松山市に児童相談所を設置することに対する松山市の見解をお聞かせください。

◎答弁 宇野哲朗こども家庭部長

◎宇野哲朗こども家庭部長 中核市長会のプロジェクトでは、児童相談所設置について、家庭に寄り添った支援と強制措置を伴う介入を同一の機関が担うと信頼関係が損なわれ、接触すら拒否されるなどの課題が上げられています。こうした課題や児童相談所の設置が中核市62市のうち、4市にとどまることを考慮すると、市と県で支援と介入を役割分担していくことが児童虐待の防止に有効であると考えています。以上です。

◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 児童相談所を県が管轄していることで、最も問題だと考えられるのが、虐待を受けているお子さんの一時保護の問題です。本来であれば、親元に戻すべきではない、継続して児童相談所で引き受けておくべきお子さんをやむを得ず親元へ戻してしまうケースです。お伺いします。松山市では、一時保護ができるかできないか判断する権限がないため、そのような案件は全て児相にお伺いを立てていると思います。子相から児相に一時保護を上げた結果、虐待案件ではないと判断され、親元へ戻してしまったことはあるのでしょうか。把握されている範囲で構わないので、教えてください。

◎答弁 宇野哲朗こども家庭部長

◎宇野哲朗こども家庭部長 子ども総合相談センター事務所と児童相談所で協議した事案で、一時保護にならないことはあります。具体的には、児童相談所で面談する中で、養育者や子どもが他の支援策を受け入れた場合や児童相談所が養育者と子どもが安全に生活できると判断した場合などです。以上です。

◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 ありがとうございます。松山市に新たな機関を設置しようとするお話ですから、人員の確保も必要ですし、そう簡単な問題ではないとは思います。子相のお話をお聞かせいただいた際、子相と児相との間の連携がとてもスムーズに行われていることもお伺いさせていただきましたし、子相独自の取組についてもとても感銘を受けました。ですが、このような児童虐待の問題とは、問題が発生した際の強制力まで含めて愛媛県に委ねるべき内容ではないと思っています。松山市として、責任を持って松山市にお住まいのお子さんが本来持つべき安全に生活を継続する権利を守り抜く、このような強い意志が必要ではないでしょうか。子どもたちが安心して生活できる権利、何よりその命を守り抜く役割は、私たち大人にあると思っています。最後に、野志市長にお伺いします。今回の補正予算では、子ども施策を充実させるため、こども基本法に基づく松山市独自のこども計画を来年度中に策定すると掲げました。松山市に住む子どもたちが、安心して生活できる権利、そしてその命を松山市の責任として守り抜くため、ぜひその覚悟をお示しいただけないでしょうか、お願いします。

◎答弁 野志克仁市長

◎野志克仁市長 私は、子育ての環境が整わなければ、これからの発展は難しいのではないかとの思いから、公約に「少子化対策と子育て環境の充実」を掲げ、子ども医療費の無料化を拡大し、子育て家庭の経済的な負担を減らすほか、所得の低い世帯向けに、中学生には土曜塾、小学5年生、6年生には松山こども塾で学習の場を提供しています。加えて、要保護児童対策地域協議会の関係機関と連携して、ヤングケアラーを支援したり、児童虐待を防ぐなど、子どもたちの命を守り、安心して生活できる環境をつくってきました。今後も出会いから結婚、妊娠、出産、育児などライフステージに応じた支援をさらに充実させるとともに、新年度に向け、児童福祉と母子保健の機能を一体的に担うこども家庭センターの設置を検討していきます。以上です。

◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 ありがとうございます。以上で、私の質問を終わります。

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