令和 3年12月定例会 12月02日-02号

質疑1

■松山市駅前広場 整備事業について

P.42 ◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 自民党議員団の向田将央でございます。一般質問をさせていただきますので、理事者の皆様におかれましては、明快な御答弁をよろしくお願いします。
先月11月8日から21日の14日間にかけて、松山市駅前広場の整備事業に向けて、その社会実験の一環として、交通の検証及びにぎわいの検証が行われました。私は、平成29年9月及び12月の議会質問におきまして、松山市中央商店街において圧倒的に不足する駐車場及び駐輪場の問題について御質問をさせていただきました。今回の松山市駅前広場整備事業は、松山市中央商店街が抱える課題の延長線上にある問題だと思っています。同事業のキャッチフレーズは、歩いて暮らせるまちづくりであり、目的は、花園町通りと銀天街をつなぎ、一日約3万人の乗降客が行き交うことを目的とした整備事業となっており、その内容が、松山市のホームページにも掲載されています。お伺いします。掲載内容には、3万人の乗降客と記されているのですが、この3万人の乗降客とは、具体的にどのような人たちのことを想定されているのでしょうか。また、同ページには、公共交通の乗り継ぎが快適で便利になると記されているのですが、公共交通とはどのような交通手段をイメージしていらっしゃるのか、お聞かせください。

P.42 ◎答弁 白石浩人都市整備部長

◎白石浩人都市整備部長 まず、乗降客のうち、電車とバスについては、交通事業者が集計した過去3年分の実績値を平均すると、郊外電車と市内電車の合計が約2万5,400人、路線バスが約5,300人でした。タクシーについては、本市が令和元年度に行った実態調査で約400人であったことから、合計で約3万人と想定しています。また、公共交通は、国が定めた定義と同じく、郊外電車や市内電車、バス、タクシーと考えています。以上です。

P.42 ◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 ありがとうございます。
松山市駅前広場整備事業のエリアでは、花園町通りにある商業施設といよてつ高島屋などがその利用施設の中心になるかと思います。もちろん伊予鉄道の電車やバスを利用し、遠方から来訪し、中心市街地を利用する人もいらっしゃるでしょう。ですが、花園町通りのお店やいよてつ高島屋などを利用する人の大多数に、そこまで公共交通を利用する方がいらっしゃるでしょうか。例えば、歩行の困難な障がい者の方を考えた場合、ヘルパーさんの力を借りながらバスや電車を移動手段として利用している方がいらっしゃることは、私も存じております。ですが、障がい者の皆様は、必ずしもそういった方たちばかりとは限りません。おうちの方に自家用車で送り迎えをしてもらう方もいれば、自走式の車椅子や義足を利用している方で、自動車を移動手段として利用している障がい者の方もいらっしゃいます。発想として、松山市駅前広場事業は、花園町と銀天街を徒歩で移動する人たちを前提としている限り、幾ら資金を使って設備を改善したとしても、利用者数の増加にはつながらないのではないでしょうか。花園町通りと銀天街をつなぐことは、特にお年寄りを含め、歩行の困難な方にとっては、移動する距離が長くなるだけで、両方の地域をつなぐメリットは、そこまでないように思います。こういった商業施設で比較する場合、私を含め松山市民の皆様は、どうしてもお隣の自治体、松前町にある大型ショッピングセンターエミフルMASAKIと比較してしまいます。エミフルMASAKIでは、松山中央商店街と同じように、伊予鉄道の駅が隣接している上に、バスでの移動も非常に便利です。加えて、合計5,200台に上る駐車場の台数を確保し、障がい者、マタニティーが利用しやすい位置に専用の駐車スペースも設けられています。今回の社会実験の検証を通して、市民の皆様からたくさんの御意見を聞く中で、この声をそのまま放ってはおけません。お伺いします。公共交通機関を利用した移動を便利にすることが悪いと言っているわけではありません。ただ社会実験を通しての市民の声は、どのように拾っていただけるのでしょうか、お聞かせください。

P.43 ◎答弁 白石浩人都市整備部長

◎白石浩人都市整備部長 実験中に行ったヒアリング調査では、自家用車で来られた方には期間中の交通の混雑状況を、自転車やバイクで来られた方には駐輪した場所を、それぞれお聞きするとともに、今回の整備に対する御意見も伺っています。これ以外にも、電話やメールなどで実験に関する御意見をいただいているところです。今後は、地元商店街や町内会、沿線の事業所に加え、高齢者や障がい者、子育て世代の福祉関係団体や学生など、様々な関係者との意見交換やワークショップを行い、市民の声を聞いていきたいと考えています。以上です。

P.43 ◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 ありがとうございます。
同整備事業に関連しまして、タクシー業界の方々からも相談を受けました。今回の社会実験では、いよてつ高島屋前のこれまでタクシー乗り場として利用されていた場所には、車両の進入そのものができないようになっており、進入は花園町通り側から行うようになっています。また、花園町通りから済美高校方面に抜ける、非常に混み合う通りにタクシー乗り場も設定されており、そのスペースも非常に狭くなっております。これまでのタクシー乗り場からは場所も離れており、特にタクシーを積極的に利用することが想定されるお年寄りのことを考えますと、距離が非常に遠く感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。場所がいよてつ高島屋ですから、帰りには荷物が多くなる方もいらっしゃいます。お年寄りをはじめ、歩行が困難な方にとって、この移動距離は、いよてつ高島屋の利用を思いとどまらせるほどの影響があるようです。また、こちらは社会実験ですので、今後改善されるのかもしれませんが、タクシーの待機場には、雨をしのげる場所もなく、タクシーを待つ場合、傘を差して待機することが必要です。慣れていない方には、場所が分かりにくいと感じる方も多数いらっしゃいました。実際、タクシーの利用客の中には、社会実験中は買物に来ないとおっしゃる方も多数いらっしゃり、またタクシー業界としても、社会実験期間中のタクシー利用客の減少が大きな負担となっているようです。松山市駅前整備事業は、観光客による利用も想定していると思います。タクシーを利用されたお客様の中に、遠方、高知から来られた方もいらっしゃいました。この方が、実際にいよてつ高島屋を利用された後、タクシー乗り場を探すのに、わざわざ松山市の職員に聞かなくてはならず、その上で10分近くかけてタクシー乗り場を探されたとのこと。この方は、次に船に乗る予約を取っており、乗船時間が迫っていました。社会実験中だからといって、タクシー乗り場を探すのに時間がかかったり、観光客に迷惑をかけたりしてしまったのでは、事業の目的から考えても本末転倒なのではないでしょうか。お伺いします。社会実験の検証は2つ行われたわけですが、松山市がこの2つの検証を行った目的についてお聞かせください。また、どのような検証結果が得られたのでしょうか、具体的にお聞かせください。

P.43 ◎答弁 白石浩人都市整備部長

◎白石浩人都市整備部長 まず、社会実験の目的については、広場の整備により、人や自転車、自動車など、交通の流れが変わることが予想されますので、整備後の状況を現地につくり、交通への影響やにぎわい創出の効果などを分析・評価し、今後の整備に反映することを目的に、2つのパターンで実験を行いました。このうち交通流動については、期間中に周辺道路の交通実態やバスやタクシー、一般車送迎場の利用状況、タクシー待ちをする客数のほか、歩行者や自転車の通行量などを調査しています。また、にぎわい創出については、広場の通行者や滞在者に対し、イベントなど広場空間の活用方法についてのアンケートを行いました。社会実験の検証については、今後、鉄道、バス、タクシーの各事業者や周辺の店舗や事業所などに対し、実験の影響や課題などについてのアンケートを行うとともに、令和元年度に行った交通実態調査との比較やアンケート結果の集計などを行い、分析・評価して検証する予定です。以上です。

P.44 ◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 ありがとうございます。
今回の整備事業を行う目的は、本来、伸び悩む松山市中心街の活性化にあると思います。もちろん松山市駅前広場を整備し、ここを多くの市民が利用しやすい空間にするというアイデアは、とても面白いと思いますし、松山市中心街利用状況を活性化する一つの要因となる可能性について否定する気は毛頭ありません。ですが、その結果として、かえってこれまで利用できていた施設が利用しにくくなったのでは、元も子もありません。また、松山市は、東京や大阪と異なり、その都市構造は、やはり自動車による移動が前提となっています。そして、特に平日の中心街を主に利用しているのは、愛媛大学や松山大学の大学生、そして近隣の高校へ通学する高校生たちなのではないでしょうか。都市計画を行う上で、自動車を利用する松山市民や近隣自治体の住民、自転車を主な移動手段として利用する学生さんたちにももっと目を向けることが、本当の意味で中心市街地の経済活性化へとつなげる最大の近道なのではと思っています。お伺いします。今回の事業について費用対効果を考えた場合、その効果が限定的であると考えられる、徒歩で移動する人たちに偏った事業になってはいないでしょうか。自家用車や自転車等を移動手段とした利用者を想定した計画も同時に行うことはできないのでしょうか、松山市のお考えをお聞かせください。

P.44 ◎答弁 白石浩人都市整備部長

◎白石浩人都市整備部長 今回の整備では、公共交通の利便性の向上や歩行空間のバリアフリー化に加え、自家用車で駅を訪れる方には、花園町通り側にこれまでなかった送迎用の乗降スペースを整備する予定です。また、自転車やバイクで駅を訪れる方には、これまでの実態調査の結果、必要となる駐輪スペースについて駐輪場の整備を検討しています。このほか、今年度は、市内中心部で駐車場の台数や利用実態に関する調査を行っており、需要と供給のバランスを分析し、駐車施策に反映する予定です。今後も様々な移動手段に配慮し、市民の利便性の向上や中心市街地の活性化につながる整備計画を取りまとめていきたいと考えています。以上です。

P.44 ◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 今後の都市計画に向けて、電車やバスを利用する人たちばかりに目を向けるのではなく、中心市街地の利用者全体の立場に立った計画を実現していただければと思います。

 

質疑2

■俳都松山としての取り組みについて

P.44 ◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 次の質問に移ります。松山市は、近代俳句の祖正岡子規をはじめ、多くの俳人を輩出しており、市内には数多くの句碑が残されています。平成26年には、俳都松山宣言で、俳句をエネルギーとした正岡子規の精神を受け継ぎ、世界へ向かって、100年後の未来へ向かって、俳句の風を絶やさないことを宣言しています。俳都松山の特徴的な事業として、毎年夏に俳句甲子園が開催されています。俳句甲子園では、参加した高校生がお互いに相手チームの俳句をディベートによって鑑賞し合い、作品の創作力を評価する作品点と、俳句を鑑賞する力を評価する鑑賞点を審査員が判定し、勝敗が決まります。高校生同士がチームとしてお互いの句をディベートという方法で鑑賞し合い、情熱を込めて俳句に向かい合う姿はとても白熱して、見ている私たちのほうが感情を揺さぶられます。一方、お互いが思いをぶつけ合う俳句甲子園とは異なり、参加した全ての人がお互いに俳句を評価し合い、時に笑いながら句に触れ合うことができるのが句会です。俳句甲子園のような形もとてもよいのですが、句会という形を取ると、高校生たちだけではなく、ふだん俳句に触れ合う機会のない私たちも気軽に俳句というものに触れることができます。私もある御縁で、松山市にとてもゆかりの深い文化の俳句に触れさせていただく機会があり、現在も継続的に俳句を学ぶ句会に参加をさせていただいています。参加者がお互いに自作の俳句を出し合い、評価をし合い、その中からそれぞれの参加者がよいと思った作品を発表します。誰がつくった俳句なのかは、最後まで分かりません。集まった票によって、点数の多い句から順に誰がつくった句であるかが公表されますが、勝敗を決めるわけではありません。選んだ人の感じ方とつくった人が込めた思いの違いがあることもあり、その違いもまたこの句会の面白さだと思います。また、このような句会の様子を、毎週、俳句遊遊というテレビ番組として放映しています。制作しているのは地元愛媛CATVで、過去に放映された番組もインターネット上で繰り返し見ることができます。同様の番組は俳句だけでなく、川柳天国という川柳の番組も放映されています。番組としての構成は分かりやすいもので、トーク番組としてもとても面白く、引きつけるものがありました。同放送局の放送エリアは、松山市とその周辺の地域及び愛南町だけで、せっかくこのような面白い番組が松山市で制作されているのに、その受信者は極めて限定的で、非常にもったいないと思います。そのほかにも、俳句に滑稽を取り戻し、存在感を高めることを目指している滑稽俳句や、新聞記事を黒く塗り潰して俳句を浮かび上がらせるクロヌリハイクなどの俳句を楽しまれている方もいます。もっと市民の皆様が俳句を身近に感じ、誰もが俳句に親しめる機会があれば、俳句のまちとしての魅力を改めて認識してもらえるのではないでしょうか。また、松山市が俳句王国として自負し続けるためにも、松山市から全国に向けて俳句の情報を発信することが、もっと必要でないかと思っています。そこでお伺いします。松山市は俳都松山として、市民の皆様にどのように俳句の魅力を感じてもらう機会を提供し、全国に俳句の魅力をどのように発信されているのでしょうか、お聞かせください。

P.45 ◎答弁 野志克仁市長

◎野志克仁市長 本市では、多くの方々に投句する機会を提供するため、昭和43年に松山城の長者ヶ平に第1号の俳句ポストを設けて以来、現在市内に90か所、県外に14か所、フライブルク市や台北市など、海外にも6か所置いています。平成25年からインターネットを使って気軽に投句できる俳句ポスト365のサイトも開設しています。また、俳句甲子園は、今年で24回目を迎え、コロナ禍でも33都道府県から85校116チームのエントリーがあり、上位4チームがコミュニティセンターで対戦し、全国放送の情報番組で特集されました。例年は、松山での地方大会と全国大会の1日目は大街道商店街で行われ、多くの観戦者が集まり、地元ケーブルテレビで大会の様子が放送されるなど、俳句の魅力を感じられる俳都松山の夏の風物詩として定着しています。加えて、今年6月に5G基地局を置いた記念に句会ライブを開催し、俳都松山大使の夏井いつきさんを交えて、市民の皆さんに俳句の楽しさを伝え、またユーチューブで全国にライブ配信し、とても面白いと数多くの反響がありました。来年2月は、俳句の17音とSDGsの17ゴールを掛け合わせ、SDGs未来都市の本市にしかできない句会ライブを企画しています。今後も市民が俳句に触れる機会を提供し、ユニークで魅力ある俳都松山の取組を全国に発信してまいります。以上です。

P.45 ◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 ありがとうございます。
次に、俳句を身近に感じる機会を、私は学校教育に今以上に取り入れるために、教員の皆さんに俳句を楽しく感じていただけるような取組があってもよいのではと思っています。その一つの方法として、句会という形はとても面白いと思います。そこでお伺いします。俳句の街の子どもたちに、学校教育で俳句をより身近に感じてもらうために、松山市では、教員の皆さんが俳句を楽しく感じる体験として、これまで教員の研修に句会をどのように取り入れてこられましたか。また、今後どのように取り組まれますか、御意見をお聞かせください。

P.45 ◎答弁 藤田仁教育長

◎藤田仁教育長 本市では、採用1年目の全教員に対して行う初任者研修で、俳句づくりから句会までを経験する機会を設けているほか、課題別研修や大学連携セミナーでも、ふるさと松山学の研修の一環として、俳句づくりや句会を取り入れています。これらの研修では、令和元年と2年に、愛媛大学と連携をして作成した「俳句をつくろう」、「句会をしよう」という2つのリーフレットを積極的に活用をしています。ほかにも子規と俳句に関する教材、のぼさん検定、子規さん俳句かるたを使った演習など、教員自身が俳句づくりや鑑賞の楽しさを感じられる様々な研修を設けており、受講者からは、これからもっと俳句に親しみ、子どもたちとともに楽しんでいきたいといった感想が寄せられています。今後も、こうした教員自身が俳句や句会の魅力を実感できる取組を充実することで、松山の子どもたちが俳句をより身近に感じられる学校づくりを進めていきたいと考えています。以上です。

P.46 ◆質問 向田将央議員

◆向田将央議員 ありがとうございます。以上で、私の一般質問を終わります。

 

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