令和 3年 9月定例会 09月13日-04号
■新型コロナ時短営業による不公平感を軽減させる取り組みについて
P.91 ◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 自民党議員団の向田将央でございます。一般質問をさせていただきますので、理事者の皆様におかれましては明快な御答弁をよろしくお願いします。
本日はまず、新型コロナウイルス感染症に伴う補償と支援について質問をさせていただきます。松山市では、6月17日以降7月8日まで、まれに陽性者が確認されることはあったものの、基本的には陽性者数が確認されない日が続くなど、コロナの感染状況としては比較的落ち着いた日が続いていました。ところが、翌7月9日に1名の陽性者が確認されて以降、散発的に複数名の陽性者が確認されるようになり、8月2日に二桁の陽性者が確認されて以降、陽性者の数は減少することなく連日二桁台の陽性者が確認されるようになりました。その数も10人台から20人台、30人台へと増加し、最大のピーク時には100名を超える人数にまで増加しました。松山市におけるデルタ株の特徴としては、無症状者が極端に少なく、また既存事例で確認される陽性者よりも新規事例から確認される陽性者の数が多く見られました。また、陽性確認日から遡って1週間以内に発症している人が大半で、確認日の前日に集中する傾向があり、この速度はデルタ株に感染してから発症するまでのスピードの速さの影響を受けたものだと考えられます。松山市における第4波は、繁華街クラスターを発端としたトップダウン的な感染の広がり方でしたが、第5波は複数の感染源からボトムアップ的に広がったような印象を受けます。このような状況の中、愛媛県では警戒レベルが8月11日より最高レベルの感染対策期へと移行され、16日以降、松山市内の酒類を提供する飲食店に対し、午後8時までの時短営業の要請が出されました。また、さらに同じ16日、知事より西村大臣に対しまん延防止等重点措置の適用の検討が求められ、即日適用の方針が固められました。適用された8月20日以降、松山市はその対象地域となり、松山市全域で全ての飲食店に対し、20時までの時短営業が要請された上、全ての営業時間における酒類の提供自粛が求められました。繁華街クラスターより始まる第4波でも同様の対策が行われたわけですが、その際、複数の店舗が県からの要請に応えようとせず、通常どおりの営業を継続し、その後再三にわたる県からの働きかけに対しても、2店舗が応じようとせず、そのうちの1店舗が過料の対象となってもなおその要請に応じようとはしませんでした。そこで、まずお伺いします。今回の時短及び酒類提供自粛の要請において、見回りパトロールを実施されていると思いますが、前回のまん防適用時同様、県の要請に応じていない店舗はあるのでしょうか。もしある場合は、その店舗数を教えてください。また、まん防が適用された場合、飲食店に対する協力金以外に、納品業者等飲食店以外の事業者へも国の月次支援金が支給されると思うのですが、改めてその対象となる業種及び給付額について御説明をお願いします。
P.91 ◎答弁 家串正治産業経済部長
◎家串正治産業経済部長 まず、県の要請に応じていない店舗については、県の公表では、9月11日時点で5店舗です。また、月次支援金についてですが、飲食店の時短営業や外出自粛等の影響を受け、売上げが50%以上減少している事業者で、反社会勢力や性風俗、政治団体などを除く全ての業種が対象となっています。給付額は、対象月で一月当たり中小法人は上限20万円、個人事業者は上限10万円となっています。以上です。
P.92 ◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
続きまして、知事の会見についての松山市の見解をお伺いしたいと思います。まん防が適用となった場合、政府の方針に基づき、飲食店以外の関連事業者についても補償の対象となります。ですが、県の対策の段階では飲食店しか補償の対象とはならず、飲食店以外の関連事業者へはえひめ版応援金という形での支援を行っています。知事の御説明では、飲食店は県の要請に従って業務を短縮するという理由での補償なので休業補償になるけれども、それ以外の納品業者等は休業補償ではなく営業支援に当たるとのことで、またさらに本来であれば営業支援を行うものではないと受け止められかねない表現をされています。それだとえひめ版応援金についても、もともと支援を行うつもりはないけれども、仕方なく支給していると解釈をしてしまう人もいるのではないでしょうか。もちろんその理由は、政府の方針が大本にあり、県も各自治体も予算が限られていますから、政府が支援を行わない以上、できないこともあるのは私も理解をしています。だとしても、県の要請に基づいて飲食店が時短営業や休業をしており、これによって納品業者等の関連事業者に影響が出ているわけですから、本来関連事業者に対する支援は、知事の言われる営業支援ではなく、補償に相当すると思っています。県としてこのような補償を行うつもりはないと受け止められかねない発言はいかがなものでしょうか。お伺いします。愛媛県独自の要請を行う際、飲食店の休業に伴って損害を受ける関連事業者に対する補償について、松山市は県と同様に営業支援に当たるとお考えなのか、お聞かせください。また、休業に伴って損害を受ける事業者以外にも、自主的に営業を中止する事業者さんもいらっしゃるんですが、こういった事業者さんに対する支援についても考えをお聞かせください。
P.92 ◎答弁 家串正治産業経済部長
◎家串正治産業経済部長 飲食店の関連事業者をはじめ、新型コロナウイルスによる影響はあらゆる業種に及んでおり、国の支援対象とならない市内の中小企業者等を支援するため、経済施策として県市連携で応援金制度を創設したものであり、営業補償ではありません。また、自主的に営業を中止した事業者がまん延防止等重点措置に伴う飲食店の時短営業や外出自粛等の影響を受け、売上減少の基準を満たした場合は、国の月次支援金または県市連携の応援金の支給対象となりますので、こうした制度で支援したいと考えています。以上です。
P.92 ◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
次の質問に移ります。感染症の蔓延は、松山市だけでなく他の都道府県でも当然深刻な問題となっています。このような状況の中で、特に東京などの大都市圏では、まん防や緊急事態宣言等に関連して休業することを前提として協力金等を受け取っているわけですが、中には協力金を受け取っていながら休業せず営業を続けているような事業者もいらっしゃるのだそうです。お伺いします。松山市では実情はどうなのでしょうか。このような事業者が発覚した場合、松山市としてはどのような対応を取られるのでしょうか、お聞かせください。
P.92 ◎答弁 家串正治産業経済部長
◎家串正治産業経済部長 協力金の申請に当たっては、申請内容に虚偽がない旨の誓約書をはじめ、店舗写真や飲食店営業許可証の写しなどにより審査を行っており、実績を基に給付するもので、不正な事例はありません。また、不正が発覚した場合は、協力金の返還請求を行うなど、適切に対応したいと考えています。以上です。
P.92 ◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
次の事例は実際に相談を受けた事例です。お伺いします。協力金を受け取って休業した飲食店で、経営主が協力金を資金源として仕入れを起こし、自分のお店ではなく、別の、例えば野外のバーベキュー場などで会費を取り、ふだんの業務内容と同等のサービスを提供していたとしたらどうでしょうか。人数や参加者によってはそこが新たなクラスターの発生源となる可能性もあると思います。このような事例が仮に発生した場合、松山市としてどのような対応を取られるのか、考えをお聞かせください。
P.93 ◎答弁 家串正治産業経済部長
◎家串正治産業経済部長 協力金については、時短要請に基づく協力の実績により適正に給付しています。また、事業経営に当たっては、密接や密集、密閉を回避するほか、手指消毒や飲食時以外のマスク着用など、感染拡大の予防に努めることが重要であると考えています。こうしたことから、本市では店舗の巡回訪問や広報車による呼びかけのほか、市の公式SNSやホームページ、広報紙など、あらゆる機会を通して啓発を行うことで、新たな感染を発生させないよう対応に努めていきたいと考えています。以上です。
P.93 ◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
相談くださった方は、要請を受け、協力金を受け取った上で、感染を拡大させないよう休業中もきちんと感染対策に取り組まれているわけですが、その間に従業員や常連客を引き抜かれたりすることが実際に起きているのだそうです。補償を受けた飲食店の中に、本来の休業補償の目的と違う資金流用をしている事業者がいることを考えると、果たして休業補償と営業支援との違いとは、県からの要請に応じているのかいないのか、ただそれだけで線引きを行ってよいものなのでしょうか。そのほかにも、市民会館やコミセンなど公的な施設が感染状況に応じて閉鎖をする場合、利用を予定していた営利を目的としない非営利団体は、会費を事前に徴収し、準備のために経費を支出していた場合、その団体は会費の返金が必要になりますし、経費の赤字も出ます。私が言いたいのは、このような状況の中で、市民の皆様の不満を大きくするのは、営業形態や業種による不公平感、あるいはルールを守る事業者とそうではない事業者との間で生じる不公平感なのではないでしょうか。もちろんこれは松山市だけで取り組める問題だとは思いません。県と連携し、また自治体からの提案として地元の国会議員等を通じて政府にまで届けるような取組が必要になる問題だと思います。お伺いします。補償について、ルールを守る事業者とそうでない事業者との間で生じる不公平感を少しでも軽減させる取組について、松山市としてのお考えをお聞かせください。
P.93 ◎答弁 家串正治産業経済部長
◎家串正治産業経済部長 感染拡大を早期に抑え込むため、飲食店への営業時間の短縮や感染予防策の徹底について協力を要請することで感染防止の効果を高めています。事業者のほとんどは時短要請の趣旨や感染対策の徹底について理解と協力をいただいているところですが、引き続きホームページやチラシの配布、店舗の訪問など、あらゆる機会を通して根気強く感染拡大防止に向けた周知や啓発を行うことで、事業者間で不公平感が生じないよう取り組みたいと考えています。以上です。
P.93 ◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 市民の間で不公平感が生じることのないよう、市民の皆様が理解できる取組をぜひ行っていただきたいと思います。
■プロスポーツチームに対する、自治体としての取り組みについて
P.94 ◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員
それでは、次の質問に移ります。松山市では、本年7月7日より8月5日にかけて、城山公園堀之内地区第2期整備基本計画について、市民より広くパブリックコメントの募集を行ったとお伺いしております。意見募集期間は終了していると思うのですが、実際にその回答はどのような意見が寄せられているのでしょうか。松山市として採用されるもの、採用されないものもあると思いますが、双方含めてどのような意見が寄せられたのでしょうか、まとめられているようでしたらお聞かせください。
P.94 ◎答弁 白石浩人都市整備部長
◎白石浩人都市整備部長 パブリックコメントについては、松山市内外の27名から48件の意見があり、そのうち計画に反映したものは、歩行者と自転車利用者の安全性に配慮した園路動線に関する案など6件です。それ以外の意見としては、特色ある樹木の植栽やベンチなど休憩施設の設置、またスマートフォンなどの画面上での遺構の立体的な表示など、今後の設計や管理運営面で参考とする意見のほか、遊具の設置やスタジアム等の整備に関する意見もありました。以上です。
P.94 ◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
では、その寄せられたパブリックコメントの中で、どのような意見が多く寄せられていたでしょうか。一番多かった意見だけで構いませんので、お聞かせ願えないでしょうか、お願いします。
P.94 ◎答弁 白石浩人都市整備部長
◎白石浩人都市整備部長 48件の意見の中で一番多いものは、イベント施設や避難所としても利用できるサッカースタジアムやラグビー場等の球技場を建設する意見で、13件ありました。以上です。
P.95 ◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
私が市議会議員を目指そうと思った理由の中の一つに、松山市のプロのクラブチームである愛媛FCをJ1に昇格させ、松山市の経済にとってもよい影響を及ぼすため、そのサポートを行いたいと思ったことが挙げられます。その中の一つとして、老朽化に伴い現在の松山中央公園へと移動された松山市民球場、その跡地にサッカースタジアムを誘致したいという目標がありました。しかし、実際に議員となり、幾度かこの議会でも堀之内再開発またはサッカースタジアムの誘致について質問をさせていただきましたが、堀之内再開発については、松山市そのものの事情というより、文化財保護法等の制約があり、特に地下の構造を破壊するおそれのある開発については、そのハードルが非常に高いということが分かりました。ですが、同時に、今回パブリックコメントに寄せられたとおり、今でも堀之内にサッカースタジアムを誘致したいという民意があることも事実です。私自身、この問題については議員人生をかけて取り組んでいきたいと今でもその夢は捨てていません。Jリーグのチームがホームタウンに根づくためには、自治体との連携は欠かせません。自治体とJリーグのクラブチームとがともに連携し、コロナ禍においても地元チームがワクチン接種の啓発活動をされたり、接種会場としてJリーグのスタジアムが使用されたり、接種の迅速化等にも貢献しているチームもあります。自治体とクラブチームが双方の役割を生かし、ホームタウンの活性化に向けた取組を行っています。このような環境がつくれるのも、ここで言えば松山市と松山市民、愛媛FCとチーム選手、これら一体感があってこそ初めてその大きな結果をもたらすものだと思います。お伺いします。もちろん現在はコロナ禍にあり、予算等もスポーツに関してなかなか割きにくい状況にあることは事実だと思います。ですが、これはサッカーに限らずですが、将来に向けて、プロスポーツに対し市民が熱心に関わろうとする情熱を引き出すための取組に松山市がもっと積極的に関わっていくことが、ひいては松山市全体の活力を引き出すことにつながると思います。また、チームの戦力が上がり、松山市だけでなく日本全体から注目されるようなチームになれば、そのことが市内に観光客を招き入れ、松山市の経済を活性化させる起爆剤ともなり得ると思います。こういったプロスポーツチームに対する自治体としての取組方、その姿勢について松山市の考えをお聞かせください。
P.95 ◎答弁 野志克仁市長
◎野志克仁市長 スポーツには多くの人に夢や感動を与え、勇気づける力があります。特に地元を拠点に活動するプロスポーツチームは、市民がスポーツの力を身近に感じられる、地域にとって大切な存在です。本市では、地元プロスポーツチームの活性化は、スポーツを推進するための基本施策の一つで、活動拠点になるスポーツ施設を確保し、戦力を強化するほか、ホームゲームで松山市の日や中予広域の日を設け、イベントを催し、集客を支援しています。また、3つのプロスポーツチームは、選手が試合で観客を魅了するのはもちろん、幼稚園や小学校での体験教室や地域のイベントに参加するなど、スポーツを通して地域を活性化するよう貢献いただいています。地元プロスポーツチームが活躍すると多くの人が応援に駆けつけ、子どもたちが憧れを持ち、将来の夢を描くなど、活気と魅力にあふれるまちづくりが進められます。引き続きプロスポーツを大切な地域資源の一つとして支えていきたいと思います。以上です。
P.95 ◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
愛媛FCは、その母体を松山市に有するチームでありながら、そのスタジアムは近隣の砥部町に近い場所にあり、非常に移動が難しい位置にあります。このため、せっかくプロチームを有するにもかかわらず、松山市民の関心も生まれにくい状況にあります。ですが、仮にもっと松山市中心部に近い位置、交通機関が充実していて、例えば車を持っていない小・中高校生やお年寄りなども行き来しやすい位置にスタジアムがあれば、もっと市民も関心を持ち、積極的に関わろうとする市民も増えるのではないでしょうか。現在はコロナ禍にあり、本来のプロスポーツが掲げる目的を実現することが非常に難しい状況にあります。ですが、いずれ人類がウイルスとうまく共存していける環境をつくり上げたとき、プロのクラブチームの活用は、松山市にとって多くのメリットをもたらすはずです。愛媛FCもその一つです。お伺いします。場所が必ずしも堀之内である必要はないかもしれません。ですが、もっと市民がプロスポーツを身近に感じ、クラブチームとの一体感を感じられるような場所に新たにスタジアムを建設することについて、その可能性について、ぜひ松山市の考えをお聞かせください。
P.96 ◎答弁 吉田健二坂の上の雲まちづくり部長
◎吉田健二坂の上の雲まちづくり部長 ニンジニアスタジアムは、これまでにサイドスタンドの改修やバックスタンドの増設、大型ビジョンの設置などにより機能の充実が図られ、収容能力や観客の利便性の向上につながっています。こうした中、本市のスポーツ施設では、老朽化による更新時期を迎え、維持管理や予防保全に財政負担が生じており、市内中心部など交通の利便性の高い場所にJリーグのライセンスに沿ったスタジアムを建設することは、用地の取得や建設費など新たに大きな投資が必要になります。また、建設後の運営に当たっても、採算の確保などの課題もあり、新たなスタジアムの建設は極めて難しいと考えています。今後も愛媛県や県内各市町、企業や関係団体と連携し、多くの観客がニンジニアスタジアムに駆けつけ応援してもらえるよう支援してまいります。以上です。
P.96 ◆質問 向田将央議員
◆向田将央議員 ありがとうございます。
松山市にせっかくプロのクラブチームがあります。私としても愛媛FCがこのまま降格するような姿は見たくありません。これは松山市民であれば皆同じように思うのではないでしょうか。将来活躍する少年たちの未来のために、ホームスタジアムを松山市へ、検討の舞台へと上げていただけるよう私は今後も努力してまいります。以上で、私の議会質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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