昨日、知人よりの紹介で地元のNPO法人が主催する「寄席」にお伺いしました。
街づくりサークルスクランブル という団体が主催するイベントで、演目は松山大学落語研究部の学生さんが中心となって披露していました。
若さ溢れる漫才もさることながら、参加してみて気づかされたのは、松山大学の学生さん以外に、団体の運営が主に身体に障害を持つ方によって行われていたこと。
金村理事長と名刺交換をさせていただいたのですが、名刺交換をしたときは全く気付かなかったのですが、後で理事長が全盲の視覚障がい者であることを教えていただきました。
このほかにも車いすでしか移動できない重度の障がいを持たれた方が受付や写真撮影をなされていたり、元気に漫才を披露する若者たちに交じって落語をご披露いただいた男性も理事長と同じく、全盲の視覚障がい者、とのこと。
当日は雪で山間部では通行止めが出るほどの状況の中、会場には40人ほどの人が聴衆として来場していて、毎年開催されている「スクランブル寄席」の人気の高さを感じることができました。
最初は「寄席があるから来てみて」と言われて参加したイベントだったのですが、金村理事長やスタッフのお話によると、街づくりサークルスクランブルという団体はもともと寄席を行うための団体ではなく、地域施設などを車いすなどで訪問し、実際に車いす利用者や視覚に障害のある方などが移動しやすいかどうかの調査を行い、公表することで障がい者と健常者との間の障害を少しでもなくしていくことを目的とした団体なのだそうです。
毎年寄席を行っているのも、お笑いを通じて障がい者と健常者との間の「心のバリアフリー」を目的として行っているのだそうです。
改めて「バリアフリー」とは何なのか。このことを再認識させられる体験でした。
話題は変わりますが・・・
今回私が感じたこととして、「バリアフリー」の体験ともう一つ、松山大学落語研究部の皆さんの会話をするための「センス」に感心させられました。
学生さんたちの漫才は全体的に面白く、中でも私の一押しは男性と女性のコンビが披露してくれたタイムリーなお相撲を題材とした漫才でした。
漫才や朗読、落語が終わった後、学生さんと街づくりサークルスクランブルのスタッフさんが合同で、「大喜利」が行われたのですが、後で聞いてみると、皆さん題材はあらかじめ聞かされているわけでなく、事前に会場から集められたテーマに対して、その場で即興で答えていたのだそうです。
即興で考えたという割に、なぞかけやあいうえお作文などの題材に対する回答が、どの人も非常によくまとまっていてその頭の回転の速さを非常に感心させられました。
私も松山市議会議員として、日頃の松山市民の皆さんとの交流の中で、市民の方から投げかけられたご質問に対し、わかりやすく、時にユーモアを交えながらお答えしていくことがとても大切だと感じています。
今回、松山大学落語研究部の皆さんを通じて得た体験は、一松山市議会議員として、とても感じさせられるものがありました。
一見すると私たち市議会議員の活動とは全く関係のないように見える「漫才」ですが、私たち松山市議会議員一人ひとり、また松山市政そのものを、わかりやすく、市民の皆様に共感していただくため必要な「ノウハウ」が込められていると、そう感じさせられる体験でした。